マレーシアコーヒーは、東南アジアのコーヒーの中でも少し特別な存在です。ベトナムやインドネシアのように大量生産のイメージが強い国ではありませんが、マレーシアには昔から親しまれてきたローカルなコーヒー文化があります。
特に注目したいのが、リベリカ種と呼ばれるコーヒーです。アラビカやロブスタに比べると世界的な流通量はとても少なく、一般的なカフェではあまり見かけません。しかしマレーシアでは、このリベリカ種が伝統的なコーヒー文化と深く結びついてきました。
味わいは、しっかりしたコクがありながら、南国フルーツを思わせる甘い香りを感じることがあります。ブラックで個性を楽しむのもよいですし、ミルクや砂糖を加えて飲むと、まろやかで親しみやすい一杯になります。
この記事では、マレーシアコーヒーの特徴や産地、リベリカ種の魅力、そして自宅で楽しむときの選び方まで、わかりやすく解説します。
第1章:マレーシアコーヒーとは
マレーシアコーヒーとは、マレーシア国内で栽培・焙煎・消費されてきたコーヒーの総称です。大規模な輸出産地として知られているわけではありませんが、国内には昔からコーヒーを飲む文化があり、街の食堂や喫茶店では「コピ」と呼ばれる濃いめのコーヒーが親しまれてきました。
マレーシアのコーヒーを語るうえで大切なのは、アラビカ、ロブスタ、リベリカという複数の品種が関わっていることです。一般的に、世界のスペシャルティコーヒーではアラビカ種が中心ですが、マレーシアではリベリカ種の存在感が大きいのが特徴です。
リベリカ種は、豆の形が大きく、香味も独特です。アラビカのような華やかな酸味とは違い、より重心の低いコクや、熟した果実のような甘い香りを感じることがあります。ロブスタほど苦味だけが前に出るわけでもなく、独自の個性を持ったコーヒーです。
また、マレーシアではコーヒーを単にブラックで飲むだけでなく、砂糖や練乳、ミルクを合わせて楽しむ文化もあります。濃いめに抽出したコーヒーに甘みを加えることで、豆の持つ力強さがやわらぎ、日常的に飲みやすい味になります。
つまりマレーシアコーヒーは、産地としての個性と、飲み方の文化が一体になったコーヒーです。豆そのものの味だけでなく、現地でどのように飲まれてきたかを知ることで、より深く楽しめます。
マレーシアはどんなコーヒー産地?
マレーシアは赤道に近い熱帯の国で、地域によってはコーヒー栽培に向いた高温多湿の環境があります。生産量は世界的に大きいわけではありませんが、国内消費と結びついたコーヒー文化が長く続いてきました。
特にジョホール州やサラワク州、サバ州などでは、リベリカ種やロブスタ種、アラビカ種が栽培されています。量で勝負する産地というより、珍しい品種やローカル文化の個性で楽しむ産地と考えるとわかりやすいでしょう。
伝統的な「コピ文化」と現代のスペシャルティ
マレーシアでは、昔ながらの喫茶店や食堂で飲まれる「コピ」が親しまれてきました。濃いめに抽出したコーヒーに砂糖や練乳を合わせる飲み方が多く、朝食や軽食と一緒に楽しむ日常の飲み物です。
一方で、近年は豆の品種や精製、焙煎にこだわるスペシャルティコーヒーの流れもあります。リベリカ種も、ただ濃く苦いローカルコーヒーとしてだけでなく、香りや甘みを丁寧に引き出すコーヒーとして見直されています。

第2章:マレーシアコーヒーの味の特徴
マレーシアコーヒーの味は、ひとことで言うとコクがあり、甘みを感じやすく、ミルクと相性がよい味わいです。もちろん品種や焙煎度によって違いはありますが、全体としては軽やかで酸味の強いタイプよりも、しっかりした飲みごたえのあるタイプが多い印象です。
特にリベリカ種のコーヒーでは、独特の香りが魅力になります。よく表現されるのは、トロピカルフルーツ、熟した果実、ナッツ、チョコレート、ほのかなスパイス感などです。アラビカのようにすっきりした柑橘系の酸味を楽しむというより、香りの厚みや余韻を楽しむコーヒーと考えるとわかりやすいでしょう。
苦味はありますが、ただ苦いだけではありません。深煎りにすると香ばしさやビター感が強くなり、ミルクを加えたときにバランスが取りやすくなります。中煎りから中深煎りで仕上げられたものなら、果実感や甘みを感じやすく、ブラックでも楽しみやすいです。
また、マレーシアの伝統的なコーヒーでは、濃いめの焙煎や独自のロースト方法が使われることもあります。そのため、一般的なハンドドリップ用の豆とは印象が違い、香ばしさや甘み、どっしりした口当たりが前に出やすくなります。
初めて飲む人は、普段のアラビカコーヒーと比べて「少しクセがある」と感じるかもしれません。しかしそのクセこそが、マレーシアコーヒーの面白さです。飲み慣れてくると、ほかの産地にはないふくよかな香りや、ミルクを入れたときのまとまりのよさに気づきます。
すっきり系よりも、甘み・コク・香ばしさを楽しみたい人に向いているコーヒーです。
南国フルーツを思わせる甘い香り
マレーシア産のリベリカには、ジャックフルーツや熟した果実のような、南国らしい甘い香りを感じるものがあります。一般的なアラビカのベリー系や柑橘系とは違い、より厚みのある甘さとして出やすいのが特徴です。
この香りは好みが分かれることもありますが、はまる人には強く印象に残ります。いつものコーヒーとは違う香りを楽しみたい人には、マレーシアコーヒーはとても面白い選択肢です。
しっかりしたコクとやわらかな苦味
マレーシアコーヒーは、軽く透明感のある味というより、口当たりに厚みがあります。深煎りにすると香ばしさや苦味が前に出ますが、ミルクや砂糖を合わせることで飲みやすくまとまります。
ブラックで飲む場合は、焙煎が強すぎないものを選ぶと、甘みや果実感も感じやすくなります。ミルク入りで楽しむなら、中深煎りから深煎りが扱いやすいでしょう。

第3章:マレーシアコーヒーを語るうえで重要なリベリカ種
マレーシアコーヒーを知るうえで欠かせないのが、リベリカ種です。コーヒーの品種としては、アラビカ種とロブスタ種がよく知られていますが、リベリカ種はそれらに比べるとかなり珍しい存在です。
リベリカ種は、アフリカ原産のコーヒー品種で、木が大きく育ちやすく、葉や実も比較的大きいとされています。病害に強い性質を持つことから、東南アジアの一部地域で栽培されるようになりました。マレーシアも、そのリベリカ種が根づいた国のひとつです。
リベリカ種の特徴は、何よりも個性的な香りと厚みのある味わいにあります。豆の形はアラビカよりも大きく、不揃いになりやすい傾向があります。味わいも単純ではなく、フルーティーさ、木質感、ナッツ感、チョコレート感などが重なって感じられることがあります。
一方で、リベリカ種は生産や精製が簡単なコーヒーではありません。果肉が厚く、処理に手間がかかるため、品質を高めるには丁寧な管理が必要です。そのため、昔ながらのローカルコーヒーとして飲まれるだけでなく、近年はスペシャルティコーヒーとしての可能性も注目されています。
マレーシアでは、特にジョホール州などでリベリカ種の栽培や品質向上に取り組む生産者が見られます。発酵や乾燥の工夫によって、よりクリーンで果実感のあるリベリカコーヒーも登場しています。
つまりリベリカ種は、マレーシアコーヒーの個性を形づくる重要な存在です。アラビカともロブスタとも違う「第三のコーヒー」として楽しめることが、マレーシアコーヒーの大きな魅力といえます。
リベリカ種とはどんな品種?
リベリカ種は、アラビカ種やロブスタ種と比べて豆のサイズが大きく、形にもばらつきが出やすい品種です。香味も独特で、フルーツ感、木のようなニュアンス、香ばしさ、重厚な甘みなどが重なりやすいといわれます。
一般的なコーヒーの味に慣れている人ほど、最初は不思議に感じるかもしれません。しかし、リベリカにはほかの品種にはない存在感があります。珍しさだけでなく、味の個性そのものが魅力です。
世界的に流通量が少ない希少なコーヒー
リベリカ種は、世界のコーヒー流通の中ではごく少数派です。アラビカやロブスタに比べて見かける機会が少なく、日本でも常に手に入る豆ではありません。
そのため、マレーシア産リベリカを見つけたら、アジア産コーヒーの飲み比べとして試してみる価値があります。普段のコーヒーとは違う視点で、品種の多様性を感じられる一杯になります。

第4章:マレーシアコーヒーの主な産地
マレーシアのコーヒー産地としてよく名前が挙がるのは、ジョホール州、サラワク州、サバ州などです。それぞれ気候や栽培される品種に違いがあり、同じマレーシア産でも味わいの印象は変わります。
まず注目したいのが、マレー半島南部にあるジョホール州です。ジョホールは、マレーシアのリベリカ種を語るうえで重要な地域のひとつです。比較的低地でも育つリベリカ種に適した環境があり、近年は品質にこだわったリベリカコーヒーの生産地として知られるようになっています。
ジョホール産のリベリカコーヒーは、南国フルーツのような甘い香りや、しっかりしたコクを楽しめるものがあります。焙煎や精製が丁寧なものを選ぶと、クセの強さだけでなく、甘みや余韻のきれいさも感じやすくなります。
次に、ボルネオ島に位置するサラワク州も重要です。サラワクでは、リベリカ種を中心にコーヒー栽培の可能性が注目されています。自然豊かな地域で、気候や土壌の違いがコーヒーの個性につながります。まだ流通量は多くありませんが、今後さらに注目される可能性のある産地です。
サバ州では、ロブスタ種やアラビカ種も見られます。山地や高原地帯では、比較的すっきりした味わいのコーヒーが生まれることもあります。サバ産コーヒーは、日本で頻繁に見かけるものではありませんが、東南アジアの多様なコーヒーを知るうえで面白い存在です。
マレーシアコーヒーは、国全体として生産量が多いわけではないため、産地名まで明記された豆は貴重です。購入するときは、「マレーシア産」とだけ書かれているか、「ジョホール」「サラワク」「サバ」など地域名まで書かれているかを確認すると、より選びやすくなります。
ジョホール州
ジョホール州は、マレーシアのリベリカ種を代表する産地のひとつです。低地でも育ちやすいリベリカの性質と地域の環境が合いやすく、昔ながらのコーヒー文化とも結びついてきました。
近年は、リベリカをより品質高く仕上げる取り組みも見られます。発酵や乾燥、焙煎を工夫した豆なら、香りの個性だけでなく、クリーンな甘みや余韻も楽しめます。
サラワク州とサバ州
サラワク州は、ボルネオ島の自然豊かな地域で、リベリカ栽培の可能性が注目されています。地域によっては、ローカルなコーヒー文化と新しい品質向上の動きが重なっています。
サバ州では、ロブスタ種やアラビカ種も含めた多様なコーヒーが見られます。マレーシアコーヒーを深く知りたいなら、ジョホールだけでなく、ボルネオ島側の産地にも注目すると楽しみが広がります。

第5章:マレーシアコーヒーの歴史
マレーシアのコーヒー文化は、栽培の歴史だけでなく、日常の飲み方とも深く結びついています。現地では、コーヒーは特別な飲み物というより、食事や休憩の時間に自然と寄り添う身近な存在として親しまれてきました。
マレーシアでよく知られているのが、「コピ」と呼ばれるローカルコーヒー文化です。コピは、街の食堂や昔ながらの喫茶店で飲まれてきた濃いめのコーヒーで、砂糖や練乳、ミルクを加えて楽しむことが多い飲み方です。香ばしく力強い味わいが特徴で、朝食や軽食と一緒に飲まれることもあります。
このような飲み方に合う豆として、リベリカ種やロブスタ種が使われてきました。アラビカの繊細な酸味をそのまま楽しむというより、濃く抽出して甘みやミルクと合わせることで完成する味として発展してきたのです。
一方で、近年はマレーシア国内でもスペシャルティコーヒーの考え方が広がっています。伝統的なコピ文化に加えて、豆の品種、農園、精製方法、焙煎度を意識したコーヒーも増えてきました。特にリベリカ種は、かつてはローカル向けの豆という印象が強かったものの、丁寧な精製や焙煎によって新しい魅力が見直されています。
つまりマレーシアコーヒーの歴史は、昔ながらの濃いコーヒー文化と、現代的なスペシャルティの流れが重なっているのが特徴です。伝統と新しさの両方を楽しめることが、マレーシアコーヒーの面白いところです。
東南アジアで根づいたコーヒー栽培
マレーシアのコーヒーは、東南アジアの気候や生活文化の中で育ってきました。強い日差し、高温多湿の環境、食事と一緒に楽しむ習慣などが、現地らしいコーヒーのあり方を作ってきたといえます。
特にリベリカ種は、東南アジアの一部地域で長く栽培されてきた品種です。マレーシアでは、そのリベリカがローカルな飲み方と結びつき、独自の存在感を持つようになりました。
スペシャルティリベリカへの流れ
近年は、リベリカをただ珍しい品種として扱うだけでなく、品質を高めてスペシャルティコーヒーとして楽しむ動きがあります。精製方法や焙煎を工夫することで、リベリカの果実感や甘みをよりきれいに引き出せるようになってきました。
この流れによって、マレーシアコーヒーは「昔ながらの濃いコーヒー」だけではなく、品種の個性を楽しむ現代的なコーヒーとしても注目されています。

第6章:マレーシアコーヒーはどんな人におすすめ?
マレーシアコーヒーは、一般的なアラビカ中心のコーヒーとは少し違う個性があります。そのため、いつものコーヒーに少し変化をつけたい人にとても向いています。
まずおすすめしたいのは、珍しいコーヒーを試してみたい人です。マレーシアで注目されるリベリカ種は、世界的に見ると流通量が少なく、日本でも頻繁に見かける豆ではありません。アラビカやロブスタとは違う香りや口当たりがあり、コーヒーの世界の広さを感じられます。
次に、コクのある味が好きな人にも向いています。マレーシアコーヒーは、すっきり軽やかなタイプというより、香ばしさや厚みを楽しむタイプが多いです。深煎りの豆なら、チョコレートのような苦味やナッツのような香ばしさが出やすく、飲みごたえがあります。
また、ミルクコーヒーやカフェオレが好きな人にもおすすめです。リベリカ種やロブスタ種を使ったマレーシアコーヒーは、ミルクを加えても味がぼやけにくく、むしろ甘みやコクが引き立ちます。ブラックでは少し個性が強いと感じる豆でも、ミルクを合わせることで飲みやすくなることがあります。
東南アジアの食文化に興味がある人にも、マレーシアコーヒーはぴったりです。マレーシアでは、コーヒーは食事や甘いお菓子と一緒に楽しむことも多く、現地の暮らしに根づいた飲み物です。単に豆の味を比べるだけでなく、文化ごと味わうような楽しみ方ができます。
一方で、強い酸味や透明感のある浅煎りコーヒーが好きな人には、最初は重たく感じるかもしれません。その場合は、浅煎り寄りのリベリカや、精製方法にこだわったスペシャルティタイプを選ぶと、より飲みやすく感じられます。
マレーシアコーヒーは、個性はあるけれど、飲み方を選べばとても親しみやすいコーヒーです。ブラック、ミルク入り、甘めのコピ風など、自分に合うスタイルを探す楽しさがあります。
いつもと違うコーヒーを試したい人
マレーシアコーヒーは、定番産地の味に慣れた人ほど新鮮に感じやすいコーヒーです。リベリカ種の香りや、ローカルなコピ文化の背景を知ると、コーヒーの楽しみ方が広がります。
「アラビカ以外のコーヒーも飲んでみたい」「東南アジアの個性的な豆を試したい」という人には、マレーシアコーヒーはよい入口になります。
ミルクコーヒーが好きな人
マレーシアコーヒーは、ミルクと合わせたときに魅力が出やすいタイプです。深煎りの香ばしさやリベリカの厚みが、ミルクによってまろやかにまとまります。
ブラックで飲んで少し個性が強いと感じた場合でも、ミルクを加えると印象が大きく変わることがあります。カフェオレや甘めのコーヒーが好きな人には特におすすめです。

第7章:マレーシアコーヒーの選び方
マレーシアコーヒーを選ぶときは、まず品種を確認するのがおすすめです。特にマレーシアらしさを味わいたいなら、リベリカ種と書かれた豆を探してみましょう。リベリカは流通量が少ないため選択肢は多くありませんが、見つけたときにはぜひ試してみたい品種です。
リベリカ種は、アラビカとは違う独特の香りやコクがあります。商品説明に、トロピカルフルーツ、ジャックフルーツ、ナッツ、チョコレート、ワインのような香りなどと書かれている場合は、リベリカらしい個性を楽しめる可能性があります。
次に、焙煎度を確認しましょう。マレーシアコーヒーは、深煎りにすると香ばしさや苦味がしっかり出て、ミルクとの相性がよくなります。カフェオレや甘めのコーヒーにしたい人は、中深煎りから深煎りを選ぶと失敗しにくいです。
一方で、ブラックで飲みたい場合は、中煎りから中深煎りくらいがおすすめです。深煎りすぎると個性的なフルーツ感が隠れてしまうことがあるため、リベリカ本来の香りを楽しみたいなら、焙煎が強すぎないものを選ぶとよいでしょう。
また、精製方法にも注目すると選びやすくなります。ナチュラル精製や発酵プロセスに工夫された豆は、果実感や甘い香りが出やすい傾向があります。ウォッシュド精製に近いものなら、比較的すっきり飲みやすく感じられることもあります。
購入時には、産地名も確認しましょう。ジョホール、サラワク、サバなどの地域名が書かれている豆は、特徴を比べやすくなります。特にジョホール産のリベリカは、マレーシアらしい個性を知る入り口として選びやすいです。
初めての場合は、いきなり大容量で買わず、少量から試すのがおすすめです。マレーシアコーヒーは個性があるため、人によって好みが分かれることがあります。少量で試して、気に入ったら焙煎度や産地を変えて飲み比べると、自分に合う味を見つけやすくなります。
品種を確認する
マレーシアらしさを重視するなら、リベリカ種の表記を探しましょう。リベリカ、Liberica、またはマレーシア産リベリカと書かれている豆は、この記事で紹介している個性を感じやすいです。
一方で、飲みやすさを重視するなら、アラビカとのブレンドや中煎りの豆も選択肢になります。珍しさを取るか、飲みやすさを取るかで選ぶと失敗しにくいです。
焙煎度を確認する
ブラックで香りを楽しみたいなら中煎りから中深煎り、ミルクと合わせたいなら中深煎りから深煎りがおすすめです。焙煎度によって、マレーシアコーヒーの印象は大きく変わります。
初めてなら、苦味が強すぎず、甘みも感じやすい中深煎りが扱いやすいでしょう。

第8章:マレーシアコーヒーのおすすめの飲み方
マレーシアコーヒーは、飲み方によって印象が大きく変わります。個性的な香りをそのまま楽しむならブラック、コクや甘みを引き出したいならミルク入りがおすすめです。
まず試したいのは、ハンドドリップでのブラックです。中煎りから中深煎りのリベリカなら、南国フルーツのような甘い香りや、ナッツのような余韻を感じやすくなります。抽出温度は高すぎると苦味が出やすいため、少し落ち着いた温度でゆっくり淹れると、まとまりのある味になります。
深煎りのマレーシアコーヒーなら、ミルクを加える飲み方がよく合います。リベリカやロブスタの力強さは、ミルクに負けにくいのが魅力です。カフェオレにすると、香ばしさと甘みがやわらぎ、飲みやすい一杯になります。
甘めのコーヒーが好きな人は、練乳や砂糖を少し加える飲み方もおすすめです。マレーシアのローカルなコピ文化では、濃いめのコーヒーに甘みを加えて楽しむスタイルがあります。家庭で再現するなら、濃いめに抽出したコーヒーに練乳を少量加えるだけでも、現地らしい雰囲気を味わえます。
暑い季節には、アイスコーヒーにするのもよい方法です。マレーシアコーヒーのコクは、氷で冷やしても味が薄くなりにくく、ミルクやシロップともよく合います。深煎りの豆を濃いめに抽出して、氷を入れたグラスに注ぐと、香ばしく飲みごたえのあるアイスコーヒーになります。
フレンチプレスで淹れるのもおすすめです。マレーシアコーヒーの厚みやオイル感を楽しみやすく、リベリカ種の個性がしっかり出ます。すっきりさせたい場合はペーパードリップ、コクを強調したい場合はフレンチプレスと使い分けるとよいでしょう。
マレーシアコーヒーは、ブラックだけにこだわらず、ミルクや甘みと合わせて楽しむことで魅力が広がるコーヒーです。
ブラックで個性を楽しむ
中煎りから中深煎りの豆なら、まずはブラックで飲んでみるのがおすすめです。リベリカ種の甘い香りや、ナッツのような余韻を感じやすくなります。
湯温は少し控えめにし、苦味が出すぎないようにするとバランスが整いやすいです。いつものアラビカと比べながら飲むと、違いがよくわかります。
ミルクや練乳でコピ風に楽しむ
マレーシアらしさを楽しむなら、濃いめに淹れたコーヒーにミルクや練乳を合わせるのもよい方法です。甘みを加えることで、香ばしさやコクがやわらぎ、飲みやすくなります。
特に深煎りのリベリカやロブスタは、ミルクに負けにくい力強さがあります。現地のコピ文化をイメージしながら飲むと、マレーシアコーヒーの楽しさがより伝わります。

第9章:他のアジア産コーヒーとの違い
マレーシアコーヒーは、同じ東南アジアのコーヒーと比べても独自の立ち位置があります。特に、ベトナム、インドネシア、フィリピンのコーヒーと比べると、その違いがわかりやすくなります。
ベトナムコーヒーは、ロブスタ種を中心とした力強い苦味と濃厚な飲み方が特徴です。練乳を加えた甘いコーヒーのイメージも強く、しっかりした苦味と甘さのコントラストを楽しむ文化があります。マレーシアコーヒーにも濃いめに飲む文化はありますが、リベリカ種が加わることで、より独特の甘い香りや果実感が出やすい点が違います。
インドネシアコーヒーは、マンデリンに代表されるように、重厚なコクやスパイス感、土っぽさを感じる味わいが有名です。マレーシアコーヒーもコクはありますが、インドネシアほどどっしりした大地感に寄るというより、南国フルーツのような甘い香りや、ミルクに合うまろやかさが魅力になりやすいです。
フィリピンコーヒーとは、リベリカ種という共通点があります。フィリピンでもリベリカは「バラコ」と呼ばれ、力強い香りと味わいで知られています。マレーシアのリベリカも個性的ですが、近年はスペシャルティとして精製や焙煎を工夫したものが増え、よりクリーンで果実感のあるタイプも見られます。
また、マレーシアコーヒーは、産地としての知名度がまだ高すぎないぶん、発見する楽しさがあります。世界的に有名な定番産地ではありませんが、そのぶん「こんなコーヒーもあるんだ」と感じられる面白さがあります。
他のアジア産コーヒーと比べると、マレーシアコーヒーは、リベリカ種の希少性、ローカルなコピ文化、ミルクとの相性のよさが大きな特徴です。アジアのコーヒーを飲み比べるなら、ぜひ一度試しておきたい産地です。
ベトナムコーヒーとの違い
ベトナムコーヒーはロブスタ種の力強さと練乳を使った甘い飲み方が印象的です。マレーシアにも甘めに飲む文化はありますが、リベリカ種の果実感や独特の香りが加わる点が違います。
苦味の強さだけでなく、香りの個性も楽しみたいなら、マレーシアコーヒーは面白い比較対象になります。
インドネシアコーヒーとの違い
インドネシアコーヒーは、重厚なコクやスパイス感、大地を思わせる風味が魅力です。マレーシアコーヒーもコクはありますが、より南国らしい甘い香りやミルクとのまとまりが特徴になりやすいです。
どちらもアジア産らしい飲みごたえがありますが、インドネシアは重厚、マレーシアは個性的な甘い香りという違いで考えると選びやすくなります。

第10章:まとめ
マレーシアコーヒーは、派手に知られている産地ではありませんが、知れば知るほど面白いコーヒーです。特にリベリカ種の存在は、マレーシアコーヒーを語るうえで欠かせません。
味わいは、しっかりしたコクと香ばしさがあり、豆によっては南国フルーツやナッツ、チョコレートのようなニュアンスを感じることがあります。アラビカのような繊細な酸味とは違い、厚みのある香りとミルクに合う飲みごたえが魅力です。
ジョホール、サラワク、サバなどの地域では、それぞれ違ったコーヒーの個性があります。特にジョホールのリベリカは、マレーシアらしい味を知る入口として注目しやすい産地です。
選ぶときは、品種、焙煎度、産地、精製方法を確認すると、自分に合った豆を見つけやすくなります。初めてなら、中深煎りのリベリカや、ミルクに合わせやすいタイプから試すのがおすすめです。
飲み方は、ブラックだけでなく、カフェオレ、アイスコーヒー、練乳を加えたコピ風など、幅広く楽しめます。むしろマレーシアコーヒーは、自由な飲み方で楽しんでこそ魅力が広がるコーヒーです。
いつものコーヒーとは少し違う一杯を探しているなら、マレーシアコーヒーはとてもよい選択肢です。リベリカ種の個性を通して、東南アジアのコーヒー文化の奥深さを感じてみてください。

