コーヒーの焙煎をしていると、途中で豆から「パチパチ」「ピチピチ」といった音が聞こえることがあります。この音は、焙煎中のコーヒー豆の内部で大きな変化が起きているサインです。この現象は、日本の焙煎ではよく「ハゼ」と呼ばれます。とくに重要なのが「1ハゼ」と「2ハゼ」です。この記事では、1ハゼ・2ハゼの意味、起こる仕組み、焙煎度や味わいとの関係、聞き分けるコツまでわかりやすく解説します。

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  1. 第1章:1ハゼ・2ハゼとは
    1. 焙煎中に起こる「ハゼ」とは
    2. 1ハゼの基本的な意味
    3. 2ハゼの基本的な意味
  2. 第2章:1ハゼが起こる仕組み
    1. 豆の内部で水分やガスが膨張する
    2. パチパチという音が出る理由
    3. 1ハゼが焙煎の大きな目安になる理由
  3. 第3章:2ハゼが起こる仕組み
    1. 豆の内部構造がさらに変化する
    2. チリチリ・ピチピチとした音の特徴
    3. 2ハゼが深煎りの目安になる理由
  4. 第4章:1ハゼと2ハゼの違い
    1. 音の大きさや響き方の違い
    2. 起こるタイミングの違い
    3. 味わいに与える影響の違い
  5. 第5章:1ハゼと焙煎度の関係
    1. 1ハゼ前後は浅煎りから中煎りの目安
    2. 1ハゼ後の時間で味が変わる
    3. 酸味と甘みのバランスを整えるポイント
  6. 第6章:2ハゼと焙煎度の関係
    1. 2ハゼ付近は中深煎りから深煎りの目安
    2. 苦味やコクが強まりやすい
    3. 焼きすぎによる焦げ感に注意する
  7. 第7章:1ハゼ・2ハゼを聞き分けるコツ
    1. 音の質に注目する
    2. 色や香りの変化も一緒に見る
    3. 焙煎機や環境による違いを理解する
  8. 第8章:1ハゼ・2ハゼを使った焙煎の考え方
    1. 音だけに頼りすぎない
    2. 目指す味から終了タイミングを決める
    3. 記録を残して再現性を高める
  9. 第9章:初心者が注意したいポイント
    1. 1ハゼを聞き逃さない工夫
    2. 2ハゼまで進めるときの注意点
    3. 少量焙煎では変化が早いことを知る
  10. 第10章:まとめ
    1. 1ハゼ・2ハゼは焙煎の重要なサイン
    2. 音と味の変化を結びつけて理解する
    3. ハゼを知ると焙煎がもっと楽しくなる

第1章:1ハゼ・2ハゼとは

焙煎中に起こる「ハゼ」とは

ハゼとは、焙煎中にコーヒー豆の内部で圧力が高まり、豆が音を立てて変化する現象のことです。

コーヒーの生豆には水分が含まれています。焙煎が進むと、豆の内部の水分が熱によって蒸気になり、さらにガスも発生します。豆の内部にたまった圧力が高まると、豆の組織が膨らんだり、ひび割れたりして音が出ます。

この音が、焙煎士や自家焙煎をする人にとって重要な合図になります。なぜなら、ハゼが起こるタイミングを知ることで、焙煎がどの段階まで進んでいるかを判断しやすくなるからです。

ハゼは、焙煎中の豆の変化が音として現れるわかりやすいサインです。

1ハゼの基本的な意味

1ハゼとは、焙煎中に最初に起こる大きなハゼのことです。

音としては「パチッ」「パチパチ」と比較的大きく、はじけるように聞こえることが多いです。豆によってはポップコーンが小さく弾けるような音に感じることもあります。1ハゼが始まると、コーヒー豆は生豆らしい青っぽさから、飲み物としてのコーヒーらしい香りや味へと大きく近づいていきます。

1ハゼは、浅煎りから中煎りの焙煎を考えるうえで重要な目安です。1ハゼが始まってすぐに焙煎を止めると、酸味や香りが明るく残りやすくなります。1ハゼ後に少し時間を置くと、甘みやコクが出やすくなり、味のバランスが整いやすくなります。

1ハゼは、浅煎りから中煎りの味づくりを考えるうえで大切な目安です。

2ハゼの基本的な意味

2ハゼとは、1ハゼのあと、さらに焙煎が進んだ段階で起こる二度目のハゼのことです。

1ハゼが「パチパチ」と大きめの音であるのに対し、2ハゼは「ピチピチ」「チリチリ」と細かく軽い音に聞こえることが多いです。音の印象は豆や焙煎機によって変わりますが、1ハゼよりも細かく連続的に聞こえる傾向があります。

2ハゼが近づくころには、豆の色はかなり濃くなり、香りも香ばしさやロースト感が強くなります。味わいとしては、酸味が穏やかになり、苦味やコクが前に出やすくなります。

2ハゼは、中深煎りから深煎りを考えるうえで重要な目安になります。

焙煎機と焙煎されたコーヒー豆のイラスト

第2章:1ハゼが起こる仕組み

豆の内部で水分やガスが膨張する

1ハゼは、コーヒー豆の内部で水分やガスが膨張し、豆の組織が変化することで起こります。

生豆は焙煎によって少しずつ熱を受け、内部の水分が蒸発していきます。最初は表面の色が変わり、青っぽい香りから、穀物のような香り、パンのような香りへと変化します。やがて豆の内部に圧力がたまり、その圧力に耐えきれなくなったところで、はじけるような音が出ます。

さらに、焙煎中にはさまざまな化学反応が起こり、二酸化炭素などのガスも発生します。水蒸気やガスが豆の内部にたまることで、豆の中の圧力が高まります。

1ハゼは、豆の内部で起きている大きな変化が音として外に現れるタイミングです。

パチパチという音が出る理由

1ハゼで聞こえる「パチパチ」という音は、豆の内部の圧力が外へ逃げるときに起こります。

内部の水蒸気やガスが膨張し、豆の組織にひびが入ることで、はじけるような音が出ます。ちょうど小さなポップコーンのように、豆の中で圧力が高まり、外側の構造が変化するイメージです。

ただし、すべての豆が同じ音を出すわけではありません。豆の大きさ、水分量、密度、焙煎機の種類、火力のかけ方によって、音の大きさや続く時間は変わります。

1ハゼの音は重要な目安ですが、豆の色や香り、時間の流れと合わせて判断することが大切です。

1ハゼが焙煎の大きな目安になる理由

1ハゼは、焙煎度を判断するうえで大きな目安になります。

1ハゼが始まるころ、豆は飲めるコーヒーに近づいています。ここから先の進め方によって、浅煎り、中煎り、中深煎りへと味の方向性が変わっていきます。1ハゼ直後で止めれば、酸味や香りが明るく残りやすくなります。1ハゼ後に少し時間を置けば、甘みやコクが増し、バランスが整いやすくなります。

焙煎士は、1ハゼの開始時間や終わり方を記録しながら、目指す味に合わせて焙煎を進めます。酸味を活かしたい豆なら1ハゼ後の進行を短めにし、甘みや厚みを出したい場合は少し長めにすることがあります。

1ハゼは、焙煎の前半から後半へ移る分岐点のような存在です。

コーヒーミルやケトルなど抽出器具のイラスト

第3章:2ハゼが起こる仕組み

豆の内部構造がさらに変化する

2ハゼは、1ハゼのあとさらに焙煎が進み、豆の内部構造がより大きく変化することで起こります。

1ハゼを過ぎた豆は、すでにコーヒーらしい香りや味を持ち始めています。そこからさらに熱が加わると、豆の中の成分が分解され、香ばしさ、苦味、コクが強まっていきます。豆の色は濃い茶色へと進み、表面に油分がにじみ出ることもあります。

この段階では、フルーティーな香りや明るい酸味は穏やかになり、香ばしさ、苦味、ロースト感が強くなります。味わいは軽やかさよりも、コクや重厚感の方向へ進みやすくなります。

2ハゼは、豆が深い焙煎へ入っていく合図です。

チリチリ・ピチピチとした音の特徴

2ハゼの音は、1ハゼとは違います。

1ハゼが「パチッ」「パチパチ」と比較的大きく弾けるような音なのに対し、2ハゼは「チリチリ」「ピチピチ」と細かく連続するような音に聞こえることが多いです。油がはねるような軽い音に感じることもあります。

ただし、2ハゼの音は焙煎機や豆によって聞こえ方が変わります。焙煎機の音が大きい場合や、少量焙煎で音が小さい場合には、2ハゼが聞き取りにくいこともあります。

2ハゼを判断するときは、音の質だけでなく、豆の色、香り、煙の出方、表面の油分なども合わせて見ることが大切です。

2ハゼが深煎りの目安になる理由

2ハゼは、中深煎りから深煎りを考えるうえで重要な目安になります。

2ハゼに近づくと、豆の色は濃くなり、酸味は穏やかになっていきます。その代わりに、苦味、コク、香ばしさ、ロースト感が強まりやすくなります。喫茶店らしい濃厚な味わいや、アイスコーヒー、カフェオレ向きのしっかりした味を作るときには、2ハゼ付近まで焙煎を進めることがあります。

ただし、2ハゼを過ぎて焙煎を進めすぎると、焦げたような苦味や煙っぽさが出やすくなります。深煎りらしい力強さを出しながら、焦げ感を抑えるには、2ハゼの入り方や進み具合を慎重に見る必要があります。

2ハゼは深煎りの入口を知らせるサインであり、ここから先は焙煎士の判断がとても重要になります。

カウンターでハンドドリップするイラスト

第4章:1ハゼと2ハゼの違い

音の大きさや響き方の違い

1ハゼと2ハゼは、どちらも焙煎中に起こる音のサインですが、意味やタイミング、味への影響は大きく異なります。

1ハゼは「パチッ」「パチパチ」と、比較的大きくはっきりした音に聞こえることが多いです。豆の内部の圧力が一気に外へ逃げるため、弾けるような印象があります。焙煎に慣れていない人でも、1ハゼは比較的気づきやすい音です。

一方、2ハゼは「チリチリ」「ピチピチ」と、細かく軽い音に聞こえることが多くなります。1ハゼよりも音が小さく、焙煎機の回転音や排気音にまぎれて聞き取りにくいこともあります。

1ハゼは大きく弾ける音、2ハゼは細かく連続する音として聞こえることが多いです。

起こるタイミングの違い

1ハゼと2ハゼは、起こるタイミングも違います。

1ハゼは、焙煎がある程度進み、豆の内部の水分やガスが膨張した段階で起こります。浅煎りから中煎りへ向かう途中の大きな目安です。多くの場合、1ハゼが始まると、豆は飲用に適した状態へ近づいていきます。

2ハゼは、1ハゼのあとさらに焙煎が進んだ段階で起こります。豆の色が濃くなり、香ばしさや苦味が強くなってきたころに現れます。中深煎りから深煎りの入口として考えられることが多いです。

具体的な時間は豆や焙煎機によって変わるため、焙煎全体の流れの中で判断することが大切です。

味わいに与える影響の違い

1ハゼと2ハゼは、味わいにも大きな違いをもたらします。

1ハゼ前後では、酸味や香りが残りやすく、豆本来の個性を感じやすい味になりやすいです。1ハゼ後にどのくらい焙煎を進めるかによって、酸味の明るさ、甘み、コクの出方が変わります。

2ハゼ付近まで進むと、酸味は穏やかになり、苦味やコク、香ばしさが強くなります。深煎りらしい濃厚な味わいや、ミルクと合わせやすい味を作りやすくなります。

1ハゼは明るさや甘みを整える目安になり、2ハゼは苦味やコクを引き出す目安になります。

コーヒー豆と温かいコーヒーカップのイラスト

第5章:1ハゼと焙煎度の関係

1ハゼ前後は浅煎りから中煎りの目安

1ハゼは、焙煎度を考えるうえで非常に重要な基準になります。

焙煎度は、浅煎り、中煎り、深煎りといった言葉で表されますが、その境目は単純に豆の色だけで決まるわけではありません。焙煎中の熱の入り方、1ハゼの始まり方、1ハゼ後にどのくらい時間を取るかによって、味の印象は変わります。

1ハゼの途中から終わりにかけて焙煎を止めると、明るい酸味や香りを残しつつ、ある程度の甘みも感じやすくなります。さらに少し進めると、中煎りに近づき、酸味、甘み、苦味のバランスが取りやすくなります。

浅煎りと中煎りの違いは、1ハゼ前後のわずかな時間差で生まれます。

1ハゼ後の時間で味が変わる

1ハゼ後の時間は、味づくりに大きく関わります。

1ハゼが始まってから焙煎を止めるまでの時間が短いと、酸味や香りが明るく残りやすくなります。フルーティーな風味やすっきりした後味を楽しみたい場合には、この方向が選ばれることがあります。

一方で、1ハゼ後に少し長く焙煎を進めると、酸味が穏やかになり、甘みやコクが出やすくなります。飲みやすさやバランスを重視したい場合には、1ハゼ後の時間を少し取ることがあります。

1ハゼ後の時間は、焙煎士が目指す味に合わせて調整する大切な部分です。

酸味と甘みのバランスを整えるポイント

1ハゼ前後では、酸味と甘みのバランスをどう整えるかが重要です。

浅めに仕上げると、酸味や香りが前に出やすくなります。ただし、熱の入り方が足りないと、酸味が鋭く感じられたり、青っぽさが残ったりすることがあります。反対に、少し焙煎を進めると甘みや丸みが出やすくなりますが、進めすぎると明るい香りが弱くなることもあります。

焙煎士は、豆の個性を見ながら、酸味をどこまで残すか、甘みをどこまで引き出すかを判断します。エチオピアのように華やかな香りを持つ豆では、酸味を活かしながら甘みも出すことが大切です。ブラジルのようにナッツやチョコレートの印象を持つ豆では、甘みや香ばしさを整える焙煎が合いやすいこともあります。

1ハゼは、酸味と甘みのバランスを考えるための大切なサインです。

コーヒー産地を眺めながらコーヒーを味わうイラスト

第6章:2ハゼと焙煎度の関係

2ハゼ付近は中深煎りから深煎りの目安

2ハゼは、中深煎りから深煎りを考えるうえで重要な目安になります。

1ハゼを過ぎてさらに焙煎を進めると、豆の色は濃くなり、酸味はだんだん穏やかになります。その代わりに、苦味、コク、香ばしさ、ロースト感が前に出やすくなります。2ハゼが近づくころには、コーヒーの印象は浅煎りや中煎りとはかなり違ったものになります。

中深煎りでは、2ハゼの手前、または2ハゼに入りかけたあたりで焙煎を止めることがあります。深煎りでは、2ハゼが始まってから少し進めることもあります。どこで止めるかによって、苦味の質や後味の印象が変わります。

2ハゼ付近は進行が速いため、焙煎士は細かく観察しながら終了タイミングを判断します。

苦味やコクが強まりやすい

2ハゼ付近まで焙煎を進めると、苦味やコクが強まりやすくなります。

酸味は穏やかになり、香ばしさ、重厚感、深い余韻が出やすくなります。昔ながらの喫茶店のようなしっかりしたコーヒーや、アイスコーヒー、カフェオレ用の豆では、このあたりの焙煎度が選ばれることもあります。

深煎りの魅力は、ただ苦いことではありません。良い深煎りには、苦味の奥に甘みや丸みがあり、後味に心地よさがあります。2ハゼ付近で焙煎を止めるタイミングが適切だと、苦味とコクがありながら、飲みにくさの少ない味に仕上がります。

2ハゼ付近では、力強い苦味と飲みやすさのバランスを整えることが大切です。

焼きすぎによる焦げ感に注意する

2ハゼ以降は、焼きすぎによる焦げ感に注意が必要です。

焙煎が深くなるほど、豆の表面に油分が出やすくなり、煙も増えます。香ばしさが強まる一方で、行きすぎると焦げたような苦味、煙っぽさ、炭のような後味につながることがあります。

もちろん、深煎りには深煎りならではの魅力があります。苦味、コク、重厚感、香ばしさを楽しむ焙煎度として、多くの人に親しまれています。しかし、深く焼くことと焦がすことは別です。

2ハゼは、焦げ感が強くなる前に適切なところで焙煎を止めるための重要なサインです。

コーヒーを手に街を歩くイラスト

第7章:1ハゼ・2ハゼを聞き分けるコツ

音の質に注目する

1ハゼと2ハゼを聞き分けるには、音の質に注目します。

1ハゼは、比較的大きく、はじけるような音です。「パチッ」「パチパチ」と聞こえることが多く、豆の内部の圧力が外に抜けるような力強さがあります。焙煎中に最初に聞こえる大きな音のまとまりが、1ハゼであることが多いです。

2ハゼは、1ハゼよりも細かく、軽い音です。「チリチリ」「ピチピチ」とした音に近く、油がはねるような印象に感じることもあります。音が小さく連続的なため、焙煎機の音にまぎれやすいのが特徴です。

最初は1ハゼの始まりと終わりを意識することから始めると、2ハゼの違いも少しずつつかみやすくなります。

色や香りの変化も一緒に見る

ハゼを判断するときは、音だけでなく、色や香りの変化も一緒に見ることが大切です。

1ハゼが近づくころ、豆の色は黄色から茶色へと変わり、香りも青っぽさからパンや穀物のような香りへ、さらに甘く香ばしい香りへと変化していきます。1ハゼが始まると、豆はふくらみ、コーヒーらしい香りが強くなっていきます。

2ハゼが近づくころには、豆の色はさらに濃くなり、香ばしさやロースト感が強くなります。煙が増えたり、豆の表面に油分が見え始めたりすることもあります。

音、色、香り、煙、豆のふくらみ方を合わせて観察すると、ハゼの判断がしやすくなります。

焙煎機や環境による違いを理解する

1ハゼや2ハゼの聞こえ方は、焙煎機や環境によって変わります。

業務用の焙煎機では、豆の量が多いため音がはっきり聞こえやすいことがあります。一方、家庭用の小型焙煎機や手網焙煎では、豆の量が少ないため、音が小さく聞こえることがあります。ファンの音やモーター音が大きい焙煎機では、ハゼの音が聞き取りにくい場合もあります。

また、生豆の種類によっても音の出方は違います。水分量が多い豆、密度が高い豆、大粒の豆、小粒の豆では、ハゼの大きさや続き方が変わることがあります。

自分が使っている焙煎機や豆では、どのように音が出るのかを観察し、記録していくことが大切です。

焙煎士がコーヒー豆を焙煎するイラスト

第8章:1ハゼ・2ハゼを使った焙煎の考え方

音だけに頼りすぎない

1ハゼと2ハゼは、焙煎の大切な目安ですが、それだけで焙煎を決めるものではありません。

ハゼの音は、焙煎中の変化を知らせてくれる便利なサインです。しかし、音だけを頼りにすると、豆の状態や味の方向性を見誤ることがあります。焙煎では、音、色、香り、時間、温度、煙の出方などを総合的に見て判断することが大切です。

豆によってはハゼの音が小さいことがあります。焙煎機の種類によっては、モーター音や排気音で聞こえにくいこともあります。また、焙煎環境が変わると、同じ豆でもハゼの出方が変わることがあります。

ハゼは焙煎の合図であり、答えそのものではありません。

目指す味から終了タイミングを決める

焙煎の終了タイミングは、目指す味から考えることが大切です。

華やかな酸味やフルーティーな香りを楽しみたい場合は、1ハゼ後の比較的早い段階で焙煎を止めることがあります。酸味を少し落ち着かせて、甘みや飲みやすさを出したい場合は、1ハゼ後に少し時間を取ることがあります。

しっかりした苦味やコクを出したい場合は、2ハゼ付近まで焙煎を進めることがあります。ただし、2ハゼ以降は焦げ感が出やすいため、どこで止めるかを慎重に判断する必要があります。

1ハゼや2ハゼは、ゴールではなく、目指す味へ近づくための目安として使うことが大切です。

記録を残して再現性を高める

焙煎では、記録を残すことがとても大切です。

1ハゼが始まった時間、1ハゼが終わった時間、2ハゼが始まった時間、焙煎を止めた時間、豆の色、香り、飲んだ感想などを記録しておくと、次回の焙煎に活かしやすくなります。

たとえば、酸味が強すぎた場合は、1ハゼ後の時間を少し長くしてみる。苦味が強すぎた場合は、終了タイミングを少し早めてみる。香りが弱かった場合は、火力や時間の流れを見直してみる。このように、記録があると改善の方向が見えやすくなります。

記録をもとに少しずつ調整することで、自分の好みに近い味を再現しやすくなります。

カフェでコーヒーと仕事を楽しむイラスト

第9章:初心者が注意したいポイント

1ハゼを聞き逃さない工夫

1ハゼ・2ハゼは焙煎の大切な目安ですが、初心者のうちは聞き逃したり、判断に迷ったりすることがあります。

特に家庭で少量焙煎をする場合は、豆の変化が早く、音も小さくなりやすいです。1ハゼに気づいたと思ったら、あっという間に焙煎が進んでしまうこともあります。また、2ハゼまで進めると煙やチャフが増え、焦げ感も出やすくなります。

1ハゼは比較的大きな音なので、慣れてくるとわかりやすいサインになります。できるだけ静かな環境で焙煎し、焙煎中は豆の音に集中すると判断しやすくなります。

最初は、1ハゼの始まりと終わりを記録するだけでも十分です。

2ハゼまで進めるときの注意点

2ハゼまで焙煎を進めるときは、焦げ感や煙に注意が必要です。

2ハゼ付近では、豆の色が濃くなり、油分が表面に出始めることがあります。香ばしさやコクが強くなる一方で、焙煎を進めすぎると、焦げたような苦味や煙っぽい後味につながることがあります。

家庭で焙煎する場合は、煙が増えるため換気も大切です。特に深煎りに近づくほど煙やチャフが出やすくなるため、火災報知器や周囲の環境にも注意しましょう。

深煎りを目指す場合でも、最初は2ハゼに入る手前や、2ハゼが始まった直後で止めるなど、少し控えめに試すのがおすすめです。

少量焙煎では変化が早いことを知る

家庭での少量焙煎では、豆の変化が早く進むことがあります。

手網やフライパン、小型焙煎機では、豆の量が少ないため熱の影響を受けやすく、短い時間で色や香りが変わります。1ハゼが始まってから、焙煎の終了タイミングまでの余裕が少ないこともあります。

そのため、少量焙煎では、事前にどのくらいの焙煎度を目指すかを決めておくと安心です。1ハゼが始まったら浅めで止めるのか、少し待って中煎りにするのか、2ハゼ付近まで進めるのか。方針を持っておくと、判断に迷いにくくなります。

少量焙煎は、ハゼの音、色、香りを近くで観察しながらコーヒーへの理解を深められる方法です。

コーヒーカップを持ってカフェを歩くイラスト

第10章:まとめ

1ハゼ・2ハゼは焙煎の重要なサイン

1ハゼ・2ハゼは、コーヒーの焙煎中に起こる重要なサインです。

1ハゼは、豆の内部で水分やガスが膨張し、はじけるような音が出る現象です。浅煎りから中煎りを考えるうえで大切な目安になります。2ハゼは、さらに焙煎が進んだ段階で起こる細かな音で、中深煎りから深煎りの判断に関わります。

どちらも焙煎の進み具合を知るための手がかりになりますが、音だけで判断するのではなく、色、香り、時間、温度、煙の出方なども合わせて見ることが大切です。

1ハゼと2ハゼは、焙煎中の豆の変化を知らせてくれる重要なサインです。

音と味の変化を結びつけて理解する

ハゼを理解するには、音と味の変化を結びつけて考えることが大切です。

1ハゼ後に早く止めると、酸味や香りが残りやすくなります。少し長く進めると、甘みやコクが出やすくなります。2ハゼ付近まで進めると、苦味や香ばしさ、深いコクが強まりやすくなります。

焙煎後に実際に飲んでみることで、ハゼのタイミングと味の関係が少しずつわかるようになります。記録を残しながら飲み比べると、自分の好みに合う焙煎度も見つけやすくなります。

ハゼの音を味の変化と結びつけることで、焙煎の理解が深まります。

ハゼを知ると焙煎がもっと楽しくなる

1ハゼ・2ハゼを知ると、焙煎がより楽しくなります。

ただ豆を焼くのではなく、音、色、香りの変化を見ながら、豆がどのようにコーヒーらしい味へ変わっていくのかを感じられるようになります。ハゼは、焙煎中の豆から届くわかりやすい合図です。

自家焙煎をする人にとっても、焙煎士の仕事を知りたい人にとっても、1ハゼ・2ハゼの理解は大きな助けになります。音を聞き、変化を観察し、飲んで確かめる。その積み重ねが、コーヒーをもっと深く楽しむきっかけになります。

ハゼを知ることは、焙煎の音と味をつなげ、コーヒーをより深く楽しむ入口になります。

コーヒー豆を丁寧に選別するイラスト