スペシャルティコーヒーを選んでいると、「カッピングスコア 84点」「SCAスコア 86点」「90点以上の高評価ロット」など、点数で品質を表す言葉を見かけることがあります。なんとなく点数が高いほどおいしそうに感じますが、実際には何を基準に評価されているのでしょうか。
カッピングスコアとは、コーヒーの品質を一定の方法で評価し、点数で表したものです。香り、風味、酸味、後味、口当たり、バランス、クリーンさなど、複数の項目を確認しながら総合的に判断します。
ただし、カッピングスコアは「誰にとってもおいしいか」を決める点数ではなく、コーヒーの品質や個性を伝えるための目安です。高得点の豆でも好みに合わないことはありますし、点数が控えめでも毎日飲みたくなる豆はあります。この記事では、カッピングスコアの意味、評価項目、スペシャルティコーヒーとの関係、豆選びへの活かし方をわかりやすく解説します。
第1章:カッピングスコアとは?
コーヒーの品質を点数で表す評価
カッピングスコアとは、コーヒーの品質を点数で表した評価です。主に生豆の品質確認や、スペシャルティコーヒーの評価、取引の場面で使われます。
コーヒーは農産物なので、同じ国や同じ地域の豆でも、栽培環境、品種、収穫、精製、乾燥、保管によって品質が変わります。その違いを言葉だけで伝えるのは難しいため、カッピングという評価方法を使って点数化します。
主にスペシャルティコーヒーで使われる
カッピングスコアは、特にスペシャルティコーヒーの世界でよく使われます。スペシャルティコーヒーは、品質の高さ、味の個性、生産背景の明確さが重視されるコーヒーです。
その品質を判断するために、一定の手順でカッピングを行い、点数を付けます。香りがきれいか、酸味が心地よいか、甘みがあるか、後味が雑味なく続くかなど、細かな要素を確認します。
「80点以上」がひとつの目安になる
スペシャルティコーヒーでは、一般的にカッピングスコア80点以上がひとつの目安とされています。80点を超える豆は、一定以上の品質と香味の魅力がある豆として扱われます。
80点台前半は、飲みやすく品質のよい豆が多い印象です。85点以上になると、香りや酸味、甘みなどの個性がより明確になりやすくなります。90点以上の豆は、希少性や複雑さが高く、特別なロットとして扱われることもあります。
おいしさの好みを完全に表すものではない
カッピングスコアは、コーヒーの品質を知るうえで便利な情報ですが、自分の好みを完全に表すものではありません。
華やかな香りや明るい酸味を持つ豆は高く評価されやすいことがあります。しかし、深煎りの苦味やどっしりしたコクを好む人にとっては、そうした高得点の豆が軽く感じられることもあります。

第2章:そもそもカッピングとは?
コーヒーを一定条件で味見する方法
カッピングとは、コーヒーを一定の条件で味見する評価方法です。豆の品質や個性を比較しやすくするため、粉の量、お湯の量、抽出時間、温度などをできるだけそろえて行います。
通常のハンドドリップやエスプレッソでは、抽出器具や淹れ方によって味が大きく変わります。一方、カッピングでは抽出条件をそろえることで、豆そのものの特徴を確認しやすくします。
香り・酸味・甘み・後味などを確認する
カッピングでは、コーヒーのさまざまな要素を確認します。粉の状態の香り、お湯を注いだときの香り、口に含んだときの風味、酸味、甘み、口当たり、後味、バランス、雑味の少なさなどです。
ただ「おいしい」「苦い」「酸っぱい」と感じるだけではなく、その酸味が明るく心地よいものか、甘みがあるか、後味がきれいに続くか、といった細かな部分を見ていきます。
焙煎や抽出の違いをできるだけ減らして比べる
カッピングでは、焙煎や抽出による違いをできるだけ減らして豆を比べます。もちろん焙煎の影響は完全にはなくせませんが、通常の飲み方よりも条件をそろえやすい方法です。
同じ粉量、同じ湯量、同じ時間で複数の豆を並べて評価すると、豆ごとの香りや酸味、甘みの違いがわかりやすくなります。
生産者・輸入業者・焙煎士の共通言語になる
カッピングは、コーヒーに関わる人たちの共通言語としても役立ちます。生産者が作った豆を、輸出業者、輸入業者、焙煎士、販売者が評価し、共有するための基準になります。
カッピングスコアは、その評価を点数として整理したものです。コーヒーの品質を世界中で伝えるために、とても重要な役割を持っています。

第3章:カッピングスコアが使われる理由
コーヒーの品質を客観的に伝えるため
カッピングスコアが使われる大きな理由は、コーヒーの品質を客観的に伝えやすくするためです。コーヒーの味は言葉だけでは伝えにくく、人によって感じ方も変わります。
香り、風味、酸味、後味、バランス、クリーンさなど、複数の項目を評価し、点数として整理します。点数があることで、豆の品質を比較しやすくなります。
生豆の取引価格に関わるため
カッピングスコアは、生豆の取引価格にも関わります。高いスコアを持つ豆は、品質が高く、希少性や個性も評価されやすいため、価格が上がりやすくなります。
特にスペシャルティコーヒーでは、スコアが高い豆ほど高値で取引されることがあります。オークションロットや限定ロットでは、カッピングスコアが価格に大きく影響することもあります。
スペシャルティコーヒーの基準になるため
スペシャルティコーヒーとして扱われるかどうかを判断するうえで、カッピングスコアは重要な目安になります。一般的に、80点以上の評価を得た豆がスペシャルティコーヒーとして扱われます。
ただし、スペシャルティコーヒーは点数だけで決まるものではありません。欠点の少なさや、生産背景の明確さ、流通や焙煎の品質も大切です。
生産者の努力や品質改善を評価するため
カッピングスコアは、生産者の努力を評価するためにも使われます。収穫のタイミング、精製方法、乾燥管理、選別の丁寧さによって、コーヒーの品質は大きく変わります。
生産者が品質改善に取り組み、より高いスコアを得られるようになると、豆の価値が上がり、取引価格にも反映されやすくなります。

第4章:カッピングスコアの基本的な考え方
100点満点で評価される
カッピングスコアは、一般的に100点満点で評価されます。複数の評価項目を見ながら、総合的な品質を点数化します。
80点以上でスペシャルティコーヒーの目安となり、85点以上になるとより個性が明確な豆として扱われやすくなります。90点以上は非常に希少で、特別なロットとして注目されることがあります。
複数の項目を総合して点数化する
カッピングスコアは、ひとつの印象だけで決まるものではありません。香りがよくても後味に雑味があれば評価は伸びにくく、酸味が明るくてもバランスが悪ければ総合点は下がります。
特別に派手な香りがなくても、クリーンで甘みがあり、バランスがよい豆は高く評価されることがあります。
欠点があるとスコアが下がる
カッピングでは、欠点の有無も重要です。発酵臭、カビ臭、土っぽさ、薬品のような香り、強い渋みなど、コーヒーとして好ましくない要素があると、スコアは下がります。
どれだけ香りに個性があっても、カップの中に明確な欠点があれば高得点は出にくくなります。スペシャルティコーヒーでは、クリーンカップがとても重視されます。
高得点ほど個性や透明感が明確になりやすい
高いカッピングスコアを持つ豆は、香りや味の個性が明確で、透明感のある味わいを持つことが多いです。果実のような酸味、花のような香り、はちみつのような甘み、長く続く余韻などが評価されます。
また、単に個性的なだけでなく、味に濁りが少なく、後味がきれいで、全体のバランスが整っていることも大切です。

第5章:主な評価項目
フレグランス/アロマ:粉と液体の香り
フレグランスは粉の状態の香り、アロマはお湯を注いだあとの香りを指します。カッピングでは、まず乾いた粉の香りを確認し、その後お湯を注いだときの香りを見ます。
花のような香り、果実のような香り、ナッツやチョコレートのような香りなど、コーヒーの個性が最初に表れやすい部分です。
フレーバー:口に含んだときの風味
フレーバーは、コーヒーを口に含んだときに感じる風味です。香り、味、口の中で広がる印象を含めて評価します。
柑橘、ベリー、チョコレート、キャラメル、紅茶、スパイスなど、さまざまな表現が使われます。フレーバーが明確で魅力的な豆は、高く評価されやすいです。
アフターテイスト:後味の質と長さ
アフターテイストは、飲み込んだあと、または口から出したあとに残る後味のことです。後味がきれいで長く続くか、不快な雑味が残らないかを確認します。
良いコーヒーは、甘みや果実感、心地よい余韻が続きます。後味は、コーヒーの品質を強く感じやすい部分です。
アシディティ:酸味の明るさや質
アシディティは酸味の評価です。ここでいう酸味は、単に「酸っぱい」という意味ではありません。柑橘やりんご、ベリーのような明るく心地よい酸味が評価されます。
良い酸味は、コーヒーに立体感やみずみずしさを与えます。一方で、刺激的すぎる酸味や、尖った酸味、劣化したような酸味は好ましくありません。
ボディ:口当たりや重さ
ボディは、コーヒーを口に含んだときの質感や重さを表します。軽やか、なめらか、丸みがある、しっかりしている、クリーミーなどの表現が使われます。
ボディがあるコーヒーは、口の中で存在感を感じやすく、満足感につながります。ただし、重ければよいというわけではなく、豆の個性に合った質感であることが大切です。
バランス:全体のまとまり
バランスは、香り、酸味、甘み、ボディ、後味などがうまくまとまっているかを見る項目です。どれかひとつの要素が強すぎたり、弱すぎたりすると、バランスが崩れて感じられます。
バランスがよいコーヒーは、飲みやすく、完成度が高い印象になります。
クリーンカップ:雑味の少なさ
クリーンカップは、雑味や欠点がなく、味がきれいに感じられるかを表します。スペシャルティコーヒーでは非常に重要な要素です。
クリーンなコーヒーは、香りや酸味、甘みが濁らずに感じられます。反対に、カビ臭、発酵臭、土っぽさ、薬品のような香りがあると、クリーンさは失われます。
スイートネス:甘みの印象
スイートネスは、コーヒーに感じる甘みの印象です。砂糖のような直接的な甘さではなく、果実、はちみつ、キャラメル、チョコレートのような甘いニュアンスを指します。
甘みがあるコーヒーは、酸味や苦味がやわらかく感じられ、飲みやすくなります。余韻にも心地よさが残りやすくなります。

第6章:80点以上が意味するもの
スペシャルティコーヒーの代表的な目安
カッピングスコア80点以上は、スペシャルティコーヒーの代表的な目安です。一定以上の品質があり、欠点が少なく、香味に魅力がある豆として扱われます。
ただし、80点以上であれば必ず好みに合うというわけではありません。点数は品質の基準であり、味の好みとは別に考える必要があります。
80点台前半のコーヒーの特徴
80〜82点前後のコーヒーは、飲みやすく、品質が安定した豆が多い印象です。強烈な個性よりも、バランスやクリーンさが魅力になることがあります。
毎日飲むコーヒーとしても選びやすく、スペシャルティコーヒー初心者にも向いています。価格も比較的手に取りやすいことが多く、豆選びの入口としておすすめしやすいスコア帯です。
85点以上のコーヒーの特徴
85点以上になると、香りや酸味、甘み、後味などに明確な個性が出やすくなります。果実感がはっきりしていたり、花のような香りがあったり、余韻が長く続いたりする豆も増えます。
このスコア帯の豆は、スペシャルティコーヒーらしい個性を楽しみたい人に向いています。一方で、個性が強くなるほど好みが分かれることもあります。
90点以上のコーヒーが特別視される理由
90点以上のコーヒーは、非常に高く評価された特別なロットとして扱われることが多いです。香りの複雑さ、味の透明感、甘み、余韻、バランスなど、多くの要素が高い水準にあることが求められます。
ただし、90点以上の豆は価格も高くなりやすく、味も個性的です。特別な体験として楽しむには魅力的ですが、毎日飲むコーヒーとは別の楽しみ方になることもあります。

第7章:カッピングスコアとスペシャルティコーヒー
スペシャルティコーヒーの品質基準
スペシャルティコーヒーは、一般的に80点以上のカッピングスコアを持つ高品質なコーヒーとして扱われます。欠点が少なく、香味に魅力があり、産地や生産背景が明確であることが重視されます。
単に点数が高いだけでなく、コーヒーとしての個性や、飲んだときの印象の良さも大切です。スペシャルティコーヒーは、生産からカップまでの流れ全体を大切にする考え方でもあります。
トレーサビリティとの関係
スペシャルティコーヒーでは、トレーサビリティも重視されます。トレーサビリティとは、コーヒーがどこの国、どの地域、どの農園、どの生産者によって作られたのかをたどれることです。
カッピングスコアは品質を表す数字ですが、トレーサビリティはその品質がどのように生まれたのかを知るための情報です。
欠点豆の少なさも重要
スペシャルティコーヒーでは、欠点豆の少なさも重要です。どれだけ香りがよくても、カビ臭や発酵臭、土っぽさなどの欠点があれば高い評価は得にくくなります。
クリーンカップが重視されるのは、コーヒー本来の香りや甘みをきれいに感じるためです。
スコアだけでなく生産背景も評価される
スペシャルティコーヒーでは、カッピングスコアだけでなく、生産背景も大切にされます。どのような環境で栽培され、どのように収穫・精製・乾燥されたのかが、品質に大きく関わるためです。
スコアは入口です。その先にある産地、品種、精製方法、生産者の工夫まで見ると、コーヒー選びはもっと面白くなります。

第8章:カッピングスコアと味の好み
高得点=誰にとってもおいしい、ではない
カッピングスコアが高い豆は、品質が高く、香味の魅力が明確であることが多いです。しかし、高得点だからといって、誰にとっても一番おいしいとは限りません。
味の好みは人それぞれです。明るい酸味が好きな人もいれば、深煎りの苦味や重厚なコクを好む人もいます。
浅煎り・酸味系が高評価になりやすいこともある
カッピングでは、豆本来の香りや酸味、甘み、クリーンさを確認します。そのため、華やかな香りや明るい酸味を持つ豆が高く評価されやすいことがあります。
一方で、深煎りの苦味やロースト感を好む人にとっては、高得点の浅煎りコーヒーが酸っぱく感じられることもあります。
深煎り好きには点数だけでは選びにくい
深煎りのコーヒーが好きな人は、カッピングスコアだけで豆を選ぶと迷いやすいことがあります。高得点の豆は、浅煎りから中煎りで個性を引き出して販売されることが多いためです。
深煎りが好きな場合は、点数よりも焙煎度、味の説明、ミルクとの相性などを確認すると、自分に合う豆を選びやすくなります。
自分の好みとスコアを分けて考える
カッピングスコアは、品質を知るための便利な情報です。しかし、豆選びでは自分の好みと分けて考えることが大切です。
スコアは「品質の目安」、味の好みは「自分の基準」と考えると、豆選びがぐっと楽になります。

第9章:カッピングスコアと価格の関係
高スコアの豆は価格が上がりやすい
カッピングスコアが高い豆は、価格が上がりやすい傾向があります。高い評価を受けた豆は、香りや味の個性が明確で、品質管理も丁寧に行われていることが多いからです。
特にスペシャルティコーヒーでは、スコアが生豆の取引価格に影響することがあります。品質を高めた努力が評価され、よりよい価格で販売できれば、農園の継続や品質改善にもつながります。
希少性や品種も価格に影響する
コーヒーの価格は、カッピングスコアだけで決まるわけではありません。希少性、品種、生産量、農園の知名度、精製方法、オークションでの評価なども価格に影響します。
高価格の背景には、スコアだけでなく「その豆がどれだけ希少で、どんな価値を持っているか」も関係しています。
オークションロットと高得点コーヒー
カッピングスコアが高い豆は、コーヒーオークションで注目されることがあります。品評会やオークションでは、複数の審査員がカッピングを行い、高く評価されたロットが入賞します。
入賞したロットは、世界中の焙煎業者やバイヤーから注目され、高値で落札されることがあります。通常の流通ではなかなか手に入らない特別なコーヒーとして扱われます。
高い豆が必ず満足度も高いとは限らない
高スコアで高価格の豆は、たしかに品質や希少性の面で魅力があります。しかし、高い豆が必ず自分にとって満足度の高い豆とは限りません。
価格やスコアに引っ張られすぎず、自分の飲み方や好みに合うかどうかを大切にしましょう。

第10章:カッピングスコアの見方
80〜82点:飲みやすく品質のよい豆
80〜82点くらいのコーヒーは、スペシャルティコーヒーの入口として楽しみやすいスコア帯です。欠点が少なく、品質が安定しており、飲みやすい豆が多く見られます。
強烈な個性よりも、バランスのよさやクリーンさが魅力になることがあります。初めてスペシャルティコーヒーを試す人にもおすすめしやすい点数帯です。
83〜84点:個性とバランスがある豆
83〜84点くらいになると、品質の安定感に加えて、産地や精製方法による個性も感じやすくなります。果実感、甘み、心地よい酸味、きれいな後味などが楽しめる豆も増えてきます。
価格と品質のバランスを重視する人にとって、満足しやすい選択肢になりやすいです。
85〜87点:明確な個性を楽しめる豆
85〜87点のコーヒーは、スペシャルティコーヒーらしい個性をしっかり楽しめるスコア帯です。香り、酸味、甘み、後味などに明確な魅力があり、飲んだときに印象に残りやすい豆が多くなります。
一方で、個性が強くなるほど好みが分かれることもあります。気になる豆は少量から試すと安心です。
88点以上:希少性や複雑さが高い豆
88点以上のコーヒーは、非常に高品質なロットとして扱われます。香りや味の複雑さ、透明感、甘み、余韻、バランスなどが高い水準にある豆が多いです。
このスコア帯になると、価格も高くなりやすく、特別なコーヒーとして販売されることが多いです。
点数の幅をざっくり理解する
カッピングスコアを見るときは、1点単位で厳密に考えすぎなくても大丈夫です。評価者やロット、焙煎によって印象は変わります。
80点台前半は飲みやすい良質な豆、85点以上は個性が明確な豆、88点以上は希少性や複雑さを楽しむ豆、というようにざっくり理解すると使いやすくなります。

第11章:カッピングスコアを見るときの注意点
評価者や基準によって差が出ることがある
カッピングスコアは一定の基準に沿って付けられますが、評価者によって多少の差が出ることがあります。香りや味の感じ方には個人差があり、経験や評価環境によっても印象が変わるためです。
商品ページに書かれている点数を絶対的なものとして見るのではなく、品質の目安として捉えるのが現実的です。
焙煎度で印象が変わる
カッピングスコアは豆の品質を知るための情報ですが、実際に飲むときの味は焙煎度によって大きく変わります。浅煎りでは酸味や香りが出やすく、深煎りでは苦味やコクが前に出ます。
豆を選ぶときは、スコアだけでなく、浅煎り、中煎り、深煎りといった焙煎度も必ず確認しましょう。
鮮度や抽出でも味は変化する
コーヒーの味は、焙煎後の鮮度や抽出方法によっても変わります。どれだけ高品質な豆でも、焙煎から時間が経ちすぎていたり、保存状態が悪かったりすると、本来の香りが弱くなります。
また、挽き目、お湯の温度、抽出時間、粉量によって、酸味や苦味、甘みの出方も変わります。
商品ページの点数を絶対視しない
商品ページにカッピングスコアが書かれていると、つい点数だけで選びたくなります。しかし、点数を絶対視しすぎると、自分の好みから外れた豆を選んでしまうことがあります。
スコアは参考にしつつ、味の説明、焙煎度、飲み方との相性も合わせて見るようにしましょう。

第12章:カッピングスコアと焙煎
カッピングは生豆評価に近い視点で行われる
カッピングは、主に生豆の品質を確認する目的で行われることが多い評価方法です。そのため、焙煎の個性を強く出すというより、豆本来の特徴を見やすい状態で評価します。
カッピングスコアは「その豆が持っている品質や可能性」を見るための数字と考えるとわかりやすいです。
浅煎り寄りの評価になりやすい理由
カッピングでは、豆本来の香りや酸味、甘み、後味のきれいさを確認します。そのため、深煎りでロースト感を強く出すよりも、浅煎りから中煎り寄りの状態で評価されることが多くなります。
深煎りのコーヒーが好きな人は、この点を理解しておくと、スコアと自分の好みを分けて考えやすくなります。
焙煎士の表現によって印象は変わる
同じカッピングスコアの豆でも、焙煎士の表現によって味の印象は変わります。浅めに焙煎して酸味や香りを引き出すこともあれば、中深煎りにして甘みやコクを強調することもあります。
カッピングスコアは生豆の品質を示す目安であり、カップとしての最終的な味は焙煎によって大きく変わります。
同じスコアでも焙煎店によって味が違う
同じ85点の豆でも、焙煎店によって味の出し方は異なります。ある店では酸味を明るく出し、別の店では甘みやボディを重視して焙煎することがあります。
お気に入りの焙煎店を見つけることは、スコア以上に自分好みのコーヒーに出会う近道になることがあります。

第13章:家庭でカッピングスコアをどう活かすか
点数は豆選びの参考情報にする
家庭でコーヒー豆を選ぶとき、カッピングスコアは参考情報として使うのがおすすめです。点数が書かれていれば、その豆がどのくらいの品質評価を受けているのかをざっくり理解できます。
「高い点数だから買う」ではなく、「この点数帯で、味の説明も好みに合いそうだから試す」と考えると失敗しにくくなります。
味のコメントと合わせて読む
カッピングスコアを見るときは、味のコメントとセットで読むことが大切です。たとえば同じ85点でも、ベリー系の華やかな豆もあれば、チョコレートやナッツの甘みが中心の豆もあります。
自分が好きな表現を見つけておくと、スコアと味の方向性を組み合わせて選べるようになります。
高得点豆は少量から試す
高得点の豆は価格が高く、味も個性的なことがあります。初めて試す豆なら、まずは少量から購入するのがおすすめです。
100g、ドリップバッグ、飲み比べセットなどを利用すれば、失敗を抑えながら好みを探せます。
飲んだ感想をメモして好みを知る
カッピングスコアを豆選びに活かすには、飲んだ感想を簡単にメモしておくのがおすすめです。難しい表現でなくても、「酸味が好き」「少し軽い」「甘くて飲みやすい」「ミルクと合う」くらいで十分です。
スコア、産地、焙煎度、精製方法、味のコメント、自分の感想を少しずつ記録すると、自分の好みが見えてきます。

第14章:初心者におすすめのスコア帯
まずは80点台前半から試す
スペシャルティコーヒーを初めて試すなら、まずは80点台前半の豆から選ぶのがおすすめです。このスコア帯は、品質がよく、飲みやすく、価格も比較的手に取りやすい豆が多いからです。
強い個性よりも、バランスのよさやクリーンさを楽しめる豆が多く、日常的にも飲みやすい傾向があります。
華やかさを楽しみたいなら85点以上
花のような香り、ベリーや柑橘のような果実感、透明感のある酸味を楽しみたいなら、85点以上の豆を試してみるのもおすすめです。
85点以上になると、産地や精製方法の個性がより明確に感じられる豆が増えます。ただし、個性が強いぶん好みも分かれやすいので、最初は少量から試すと安心です。
個性が強い豆は好みが分かれやすい
高スコアの豆は、香りや味の個性がはっきりしていることがあります。これは魅力でもありますが、人によっては酸味が強い、香りが独特、軽く感じるといった印象になることもあります。
高得点だから必ず合うとは考えず、自分の好みに合うかどうかを大切にしましょう。
毎日飲むなら点数より飲みやすさも大切
毎日飲むコーヒーを選ぶなら、カッピングスコアだけでなく飲みやすさも大切です。朝にすっきり飲みたいのか、ミルクと合わせたいのか、食後にゆっくり飲みたいのかによって、合う豆は変わります。
80点台前半でも、バランスがよく、飽きずに飲める豆はたくさんあります。点数は参考にしながら、自分の生活に合う味を選ぶことが大切です。

第15章:カッピングスコア以外に見るべき情報
産地・農園・品種
カッピングスコアを見るときは、産地、農園、品種も合わせて確認しましょう。同じ85点でも、エチオピア、ケニア、コロンビア、グアテマラでは味の方向性が大きく異なります。
スコアだけでなく、どこでどんな豆が作られたのかを見ることで、味をより具体的に想像できます。
精製方法
精製方法は、コーヒーの味に大きく影響します。ウォッシュドはクリーンで明るい酸味が出やすく、ナチュラルは果実感や甘い香りが出やすい傾向があります。
同じスコアでも、精製方法が違えば味の印象は大きく変わります。カッピングスコアと一緒に精製方法を見ることで、自分の好みに合う豆を見つけやすくなります。
焙煎度
焙煎度は、家庭で飲むときの味を大きく左右します。浅煎りでは酸味や香りが出やすく、中煎りではバランスが取りやすく、深煎りでは苦味やコクが強くなります。
スコアは生豆の品質を知る目安、焙煎度は実際の味を知る目安として見るとわかりやすいです。
味わいコメント
商品ページや豆の袋に書かれている味わいコメントは、豆選びにとても役立ちます。ベリー、柑橘、花、紅茶、はちみつ、キャラメル、チョコレート、ナッツなどの表現から、味の方向性を想像できます。
カッピングスコアは品質の数字、味わいコメントは好みとの相性を見る情報として活用しましょう。
焙煎日や鮮度
コーヒーは焙煎後の鮮度も大切です。どれだけ高スコアの豆でも、焙煎から時間が経ちすぎると香りが弱くなり、本来の魅力を感じにくくなります。
豆を買うときは、焙煎日がわかるか、保存状態がよいかを確認しましょう。粉より豆のまま購入し、飲む直前に挽くと香りを楽しみやすくなります。

まとめ:カッピングスコアは、品質を知るための便利な目安
点数は品質の共通言語
カッピングスコアは、コーヒーの品質を点数で表すための便利な目安です。香り、風味、酸味、甘み、後味、バランス、クリーンさなどを総合的に評価します。
生産者、輸入業者、焙煎士、販売者にとっては、品質を共有するための共通言語になります。消費者にとっても、豆選びの参考になる情報です。
高得点でも好みに合うとは限らない
カッピングスコアが高い豆は、品質が高く、個性が明確であることが多いです。しかし、高得点だからといって、必ず自分の好みに合うとは限りません。
浅煎りの華やかな酸味が好きな人もいれば、深煎りの苦味やコクを好む人もいます。点数は品質の目安であり、好みの答えではありません。
スコアと味の説明を合わせて豆を選ぶことが大切
カッピングスコアを豆選びに活かすなら、味の説明、産地、品種、精製方法、焙煎度、鮮度も合わせて見ることが大切です。
スコアに振り回されるのではなく、自分の好みを知るための手がかりとして活用しましょう。カッピングスコアを理解すると、コーヒー豆選びが少し深く、楽しくなります。

