エスプレッソの抽出比率は、乾いたコーヒー粉の重量:カップに入った抽出液の重量です。粉18gから抽出液36gを得た場合は18:36、つまり1:2です。注湯量、クレマを含む容量mL、飲み物の濃度、成分の抽出率とは別の指標です。

1:2や25~35秒は便利な開始点ですが、すべての豆・バスケット・マシンに共通する合格条件ではありません。バスケットに合う粉量を決め、抽出液重量と時間を記録し、味と流れを見ながら一項目ずつ調整します。

抽出比率で量るもの・量らないもの

項目 意味 単位 抽出比率に使うか
粉量(dose) 乾いた粉をバスケットへ入れた重量 g 使う
抽出液量(yield) カップへ落ちた液体の重量。通常はクレマを含めてスケールで量る g 使う
注湯量 マシンが粉へ送る水。粉に残る水や排出分を含み得る g・mL 使わない
カップ内の容量 液体とクレマが占める体積 mL 使わない
濃度・抽出率 飲料中の溶解成分濃度/粉から取り出した成分割合 % 同じ概念ではない

計算は「目標抽出液重量=粉量×比率の後ろの数」です。逆算する場合は「比率=抽出液重量÷粉量」とします。

粉16g・18g・20gの計算表

粉量 1:1.5 1:2 1:2.5
16g 24g 32g 40g
18g 27g 36g 45g
20g 30g 40g 50g

表は計算結果であり、おいしさや機械への適合を保証する値ではありません。粉量は先にバスケットとメーカー指定へ合わせます。詳しくはエスプレッソの粉量を決める方法を確認してください。

計測の開始・終了を毎回そろえる

  1. 乾いたバスケットへ粉を入れ、粉量を記録する。
  2. カップをスケールへ載せ、風袋を0にする。
  3. ポンプや抽出ボタンを作動させた時点でタイマーを始める。最初の滴が落ちた時点と混在させない。
  4. 目標に近づいたら抽出を止め、停止後の滴下が落ち着いた時点の最終重量を記録する。

停止操作後も液体が落ちる量はマシンや流速で異なります。「必ず2g手前で止める」のような固定補正はせず、自分の機械で停止重量と最終重量の差を記録します。抽出時間も、ポンプ開始から数えたのか最初の滴から数えたのかを記録欄に残します。

1:2と25~35秒は開始点として使う

La Marzoccoは家庭向け例として、18gの粉から36gを25~35秒で得る1:2を示しています。一方で、同社は比率を好みや豆に応じて選ぶものとも説明しています。SCAが紹介したバリスタ調査でも1:2前後が平均的でしたが、許容時間の回答には幅がありました。したがって、1:2を唯一の正解や故障判定に使いません。

味と流れを分けて一項目ずつ調整する

感じたこと 同時に確認する候補 次の1杯で変える一項目 すぐ断定しないこと
酸味が強い 豆本来の酸味、流れが速い、偏流、比率が短い、温度 まず挽き目か抽出液重量のどちらか一方 酸味=必ず抽出不足
苦味・渋さが強い 焙煎度、流れが遅い、比率が長い、高温、偏流 まず挽き目か抽出液重量のどちらか一方 苦い=必ず過抽出
薄い・水っぽい 比率が長い、流れが速い、粉量不足、豆の状態 粉量をバスケットへ合わせたうえで比率を短くする 抽出時間だけ延ばせば直る
左右で流れが違う・噴く 粉の分布、タンピング、パックの割れ、チャネリング 分布と水平をそろえる 比率だけが原因

偏流が疑われる場合はチャネリングの原因と対策も確認してください。

抽出記録の例

豆・焙煎日 粉量 最終抽出液 比率 時間の起点 時間 流れ 味 次に変える1項目
例:中煎り/日付を記録 18.0g 36.0g 1:2 ポンプ開始 28秒 後半に片寄り 酸味と渋さ 粉の分布だけ整える

計量用スケールを選ぶ

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参照資料

よくある質問

30mLと30gは同じですか?

同じとは限りません。クレマを含む体積mLと、スケールで量る重量gは別です。抽出比率では粉と抽出液をともに重量で管理します。

25~30秒を外れたら失敗ですか?

その時間は代表的な開始点です。時間の起点、豆、粉量、バスケット、比率、流れ、味を合わせて判断してください。

抽出を止めた後の滴は含めますか?

カップへ入った最終重量として記録します。停止後の滴下量は機械ごとに異なるため、固定値で差し引かず毎回同じ終了条件で量ります。

まとめ

抽出比率は粉重量と抽出液重量の比です。注湯量やmL、濃度、抽出率とは分けてください。1:2を開始点にする場合も、バスケットへ合う粉量、最終抽出液、時間の起点、流れ、味を記録し、一度に変える条件を一つにします。