アシディティとは、コーヒーの味わいに感じる「明るさ」や「爽やかさ」を表す言葉です。日本語では酸味と訳されることもありますが、単にすっぱいという意味だけではありません。果実のようなみずみずしさ、飲み終わったあとのきれいな余韻、甘みや香りを引き立てる軽やかな印象まで含めて、コーヒーの魅力を語るうえで大切な要素です。特にスペシャルティコーヒーでは、アシディティの質がその豆らしさを大きく左右します。

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  1. アシディティとは?
    1. コーヒーにおける酸味や明るさを表す言葉
    2. 単なる「すっぱさ」とは違う
    3. スペシャルティコーヒーで重視される要素
  2. アシディティの基本的な意味
    1. 味わいに立体感を与える酸の印象
    2. フルーツのような爽やかさとして感じる
    3. 甘みや香りと組み合わさって評価される
  3. アシディティと酸味の違い
    1. 酸味は味覚としての酸っぱさ
    2. アシディティは質や印象まで含む
    3. よい酸味と嫌な酸味を分けて考える
  4. よいアシディティの特徴
    1. 明るく爽やかに感じる
    2. 果実感や甘みとつながっている
    3. 後味がきれいに残る
  5. 悪く感じやすい酸味との違い
    1. 刺激的ですっぱすぎる
    2. 未熟感や青さを感じる
    3. 冷めると尖って残る
  6. アシディティを感じやすいコーヒー
    1. 浅煎りのコーヒー
    2. エチオピアやケニアなどの豆
    3. ウォッシュド精製の豆
  7. アシディティが生まれる要因
    1. コーヒー豆に含まれる酸の成分
    2. 産地や標高による違い
    3. 焙煎度や抽出条件の影響
  8. 産地によるアシディティの違い
    1. エチオピアの華やかな酸
    2. ケニアのジューシーな酸
    3. 中南米のバランスのよい酸
  9. 焙煎度とアシディティ
    1. 浅煎りでは酸が出やすい
    2. 深煎りでは酸が穏やかになりやすい
    3. 焙煎が進むと甘みや苦味とのバランスが変わる
  10. 抽出でアシディティは変わる?
    1. 湯温が低いと酸味が目立つことがある
    2. 抽出不足では尖った酸になりやすい
    3. 適切な抽出で甘みと酸がまとまる
  11. アシディティをおいしく引き出すコツ
    1. 豆の鮮度を保つ
    2. 挽き目と抽出時間を整える
    3. 甘みが出る抽出を意識する
  12. 酸味が苦手な人のアシディティの楽しみ方
    1. 中煎りから試す
    2. ミルクと合わせてみる
    3. 冷め方による変化を確認する
  13. アシディティの表現例
    1. シトラスのような明るさ
    2. ベリーのような果実感
    3. りんごやぶどうのような爽やかさ
  14. カッピングでのアシディティ評価
    1. 強さだけでなく質を見る
    2. 甘みやボディとの調和を見る
    3. 後味まで含めて判断する
  15. アシディティとフレーバーの関係
    1. 酸が香りの印象を明るくする
    2. 果実系フレーバーと結びつきやすい
    3. 酸だけが浮くとバランスを崩す
  16. アシディティを選ぶときのポイント
    1. 商品説明のフレーバー表現を見る
    2. 焙煎度を確認する
    3. 好みの酸のタイプを覚える
  17. アシディティのまとめ
    1. コーヒーの明るさや果実感を表す大切な要素
    2. よいアシディティは甘みや香りと調和する
    3. 豆選びと抽出で楽しみ方を調整できる

アシディティとは?

コーヒーにおける酸味や明るさを表す言葉

アシディティは、コーヒーを飲んだときに感じる酸の印象を表す言葉です。口に含んだ瞬間に広がる明るさ、舌の上で感じる爽やかさ、後味に残るきれいな輪郭などが、アシディティとして表現されます。

たとえばレモン、りんご、ベリー、ぶどうのような果実を思わせる印象があるコーヒーは、アシディティが魅力として感じられやすいタイプです。苦味やコクだけではなく、味に立体感を与える役割があります。

単なる「すっぱさ」とは違う

アシディティは「酸味」と訳されることが多いため、すっぱい味だけを想像しがちです。しかし、コーヒーでいうアシディティは、刺激的なすっぱさとは少し違います。

よいアシディティは、果物の酸のように甘みや香りと自然につながっています。飲みにくいすっぱさではなく、味わいを明るくし、後味をすっきりさせる働きがあります。

スペシャルティコーヒーで重視される要素

スペシャルティコーヒーでは、アシディティは重要な評価項目のひとつです。強ければよいというものではなく、どのような質の酸なのか、甘みや香りと調和しているかが見られます。

アシディティがきれいなコーヒーは、味に透明感があり、豆の個性が伝わりやすくなります。産地、品種、精製方法、焙煎度の違いを楽しむうえでも、アシディティは大きな手がかりになります。

コーヒーミルやケトルなど抽出器具のイラスト

アシディティの基本的な意味

味わいに立体感を与える酸の印象

アシディティは、コーヒーの味を平面的ではなく立体的に感じさせる要素です。苦味や甘みだけのコーヒーは落ち着いた印象になりますが、そこに心地よい酸が加わると、味に輪郭が生まれます。

特に浅煎りから中煎りのコーヒーでは、アシディティが香りや甘みを支える役割を持ちます。味の中心に明るさがあることで、軽やかで飲み飽きにくい印象になります。

フルーツのような爽やかさとして感じる

よいアシディティは、果物を食べたときのような爽やかさに近い感覚です。柑橘のようにシャープなものもあれば、りんごのようにやさしいもの、ベリーのようにジューシーなものもあります。

このような酸の印象は、コーヒーの香りと結びつくことでフレーバーとして感じられます。ただすっぱいのではなく、果実感やみずみずしさとして楽しめるのが特徴です。

甘みや香りと組み合わさって評価される

アシディティは単独で評価されるものではありません。甘み、香り、ボディ、後味と組み合わさって、全体のバランスの中で判断されます。

同じくらい酸を感じるコーヒーでも、甘みが十分にあると心地よく感じられます。一方で甘みが少ないと、酸だけが浮いて刺激的に感じられることがあります。

コーヒー豆の麻袋と商品パッケージのイラスト

アシディティと酸味の違い

酸味は味覚としての酸っぱさ

酸味は、舌で感じる基本的な味覚のひとつです。レモンや酢のような酸っぱさも酸味に含まれます。コーヒーにももともとさまざまな酸の成分が含まれており、抽出された液体の中に酸味として現れます。

そのため、コーヒーに酸味があること自体は自然なことです。問題は、その酸味が心地よく感じられるか、刺激として残るかという点です。

アシディティは質や印象まで含む

アシディティは、単なる酸っぱさの強さだけでなく、その酸がどのように感じられるかまで含む言葉です。明るい、きれい、ジューシー、丸い、シャープといった印象もアシディティの表現に入ります。

つまり、酸味が「味覚」だとすれば、アシディティは「味わいとしての酸の質」です。コーヒーを評価するときには、酸の強弱よりも、どんな質の酸なのかが大切になります。

よい酸味と嫌な酸味を分けて考える

酸味が苦手な人の多くは、刺激的ですっぱいコーヒーを思い浮かべます。しかし、よいアシディティはそのような不快な酸味とは別物です。

果実のような甘酸っぱさ、冷めてもきれいに続く爽やかさ、飲み終わりに残る透明感は、コーヒーの品質や個性を高める要素です。酸味があるかないかではなく、よい酸かどうかで見ると理解しやすくなります。

焙煎機と焙煎されたコーヒー豆のイラスト

よいアシディティの特徴

明るく爽やかに感じる

よいアシディティは、口に含んだときに味わいを明るく感じさせます。重たく沈むような印象ではなく、軽やかで抜けのよい印象が出ます。

特に朝に飲むコーヒーや、すっきりした味を楽しみたいときには、この明るさが心地よく感じられます。苦味だけでは出せない清涼感が、アシディティの魅力です。

果実感や甘みとつながっている

よいアシディティは、甘みと一体になって感じられます。たとえばオレンジ、りんご、ぶどう、ベリーのような印象は、酸と甘みが自然に結びついているからこそ感じられます。

酸だけが強く出ると飲みにくくなりますが、甘みが伴うと果実感として楽しめます。スペシャルティコーヒーで「ジューシー」と表現される味わいも、このバランスによって生まれます。

後味がきれいに残る

アシディティの質は、飲み込んだあとの余韻にも現れます。よい酸は後味を重くせず、すっと消えるようなきれいさを残します。

反対に、嫌な酸味は喉の奥や舌の側面に刺さるように残ることがあります。後味まで含めて心地よいかどうかを見ると、アシディティの良し悪しが判断しやすくなります。

山あいのコーヒー農園と生産者のイラスト

悪く感じやすい酸味との違い

刺激的ですっぱすぎる

悪く感じやすい酸味は、口に入れた瞬間に刺激として目立ちます。果実のような爽やかさではなく、酢のようなすっぱさや、尖った印象として感じられることがあります。

このような酸味は、豆の状態、焙煎、抽出のどこかでバランスが崩れている場合に出やすくなります。酸味そのものが悪いのではなく、他の味と調和していないことが飲みにくさにつながります。

未熟感や青さを感じる

酸味の中に青っぽさや未熟な果物のような印象がある場合、心地よいアシディティとは感じにくくなります。熟した果実の甘酸っぱさではなく、硬さや渋さを伴うことがあるためです。

コーヒー豆の品質や焙煎の仕上がりによっては、このような印象が出ることがあります。明るい酸と未熟な酸は似ているようで、飲んだときの印象が大きく異なります。

冷めると尖って残る

コーヒーは温度が下がるにつれて味の印象が変わります。よいアシディティは冷めても果実感や甘みが残りますが、悪く感じる酸味は冷めるほど尖って目立つことがあります。

飲み始めは気にならなくても、温度が下がるとすっぱさだけが残る場合は、抽出不足や焙煎の浅さが影響しているかもしれません。冷めたときの味も、酸の質を見分ける手がかりになります。

コーヒー市場で豆を選ぶイラスト

アシディティを感じやすいコーヒー

浅煎りのコーヒー

アシディティは、浅煎りのコーヒーで感じやすい傾向があります。焙煎が浅いほど豆が持つ酸の印象が残りやすく、果実のような明るさが出やすくなります。

ただし、浅煎りだから必ずすっぱいというわけではありません。適切に焙煎され、きちんと抽出された浅煎りは、甘みと酸がまとまったきれいな味わいになります。

エチオピアやケニアなどの豆

エチオピアやケニアのコーヒーは、アシディティを楽しみやすい産地として知られています。エチオピアは花や柑橘、ベリーのような華やかさ、ケニアはカシスやトマト、柑橘を思わせるジューシーな酸が出ることがあります。

もちろん同じ国の豆でも地域や精製方法によって味は変わりますが、産地ごとの酸の個性を知ると、コーヒー選びがぐっと楽しくなります。

ウォッシュド精製の豆

ウォッシュド精製のコーヒーは、味わいがクリーンで酸の輪郭がわかりやすい傾向があります。発酵由来の強い香りよりも、豆そのものの明るさや透明感が出やすいためです。

アシディティをしっかり感じたいときは、浅煎りから中煎りのウォッシュド精製を選ぶと、酸の質を比べやすくなります。

カフェでコーヒーと仕事を楽しむイラスト

アシディティが生まれる要因

コーヒー豆に含まれる酸の成分

コーヒー豆には、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、クロロゲン酸など、さまざまな酸に関わる成分が含まれています。これらが焙煎や抽出を通じて、味わいの中に酸の印象として現れます。

どの酸がどのように感じられるかは、豆の品種や産地、焙煎度によって変わります。だからこそ、同じ「酸味があるコーヒー」でも、印象は一杯ごとに異なります。

産地や標高による違い

標高の高い地域で育ったコーヒーは、昼夜の寒暖差によってゆっくり成熟し、味に複雑さが出やすいといわれます。その結果、アシディティにも透明感や果実感が生まれやすくなります。

また、土壌や気候、降雨量、品種の違いも酸の印象に影響します。産地の情報を見ることで、どのようなアシディティが期待できるかをある程度想像できます。

焙煎度や抽出条件の影響

アシディティは、焙煎や抽出によっても大きく変わります。焙煎が浅いと酸は感じやすく、焙煎が深くなると酸は穏やかになり、苦味やコクが前に出やすくなります。

抽出では、湯温、挽き目、時間、粉量によって酸の出方が変わります。抽出不足になると酸が尖りやすく、適切に抽出されると甘みと酸がまとまり、心地よいアシディティとして感じられます。

コーヒーカップを持ってカフェを歩くイラスト

産地によるアシディティの違い

エチオピアの華やかな酸

エチオピアのコーヒーは、アシディティの魅力を感じやすい代表的な産地です。柑橘、ベリー、花のような香りとともに、軽やかで明るい酸が出ることがあります。

特に浅煎りから中浅煎りでは、レモンティーやジャスミン、ブルーベリーを思わせる印象が出やすく、アシディティが香りの華やかさを支える役割を持ちます。

ケニアのジューシーな酸

ケニアのコーヒーは、力強くジューシーなアシディティが特徴として語られることが多い産地です。カシス、グレープフルーツ、トマト、赤い果実のような印象が感じられることがあります。

酸の強さだけでなく、甘みやボディと重なった立体的な味わいが魅力です。明るさがありながらも飲みごたえがあるため、酸味の質を深く楽しみたい人に向いています。

中南米のバランスのよい酸

グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、ブラジルなどの中南米のコーヒーは、比較的バランスのよいアシディティを持つものが多くあります。柑橘、りんご、ぶどう、ナッツ、チョコレートのような印象と調和しやすいのが特徴です。

酸が強すぎず、甘みやコクとまとまりやすいため、アシディティに慣れていない人でも飲みやすいタイプを見つけやすい産地です。

カウンターでハンドドリップするイラスト

焙煎度とアシディティ

浅煎りでは酸が出やすい

浅煎りのコーヒーは、豆が持つ酸の成分が残りやすく、アシディティをはっきり感じやすい焙煎度です。果実のような明るさや、すっきりした後味を楽しみたいときに向いています。

一方で、焙煎や抽出がうまく合っていないと、酸が尖って感じられることもあります。浅煎りをおいしく飲むには、甘みがしっかり出る抽出を意識することが大切です。

深煎りでは酸が穏やかになりやすい

焙煎が深くなると、アシディティは穏やかになり、苦味や香ばしさ、コクが前に出やすくなります。酸味が苦手な人にとっては、深煎りのほうが飲みやすく感じられることが多いです。

ただし、深煎りでも酸が完全になくなるわけではありません。ほんのり残る酸が後味を引き締め、重たくなりすぎない味わいに整えてくれることがあります。

焙煎が進むと甘みや苦味とのバランスが変わる

焙煎度が変わると、アシディティだけでなく甘みや苦味の感じ方も変化します。浅煎りでは酸と香りが前に出やすく、中煎りでは甘みとのバランスが取りやすく、深煎りでは苦味や香ばしさが強くなります。

同じ豆でも焙煎度が違うと、まったく別のコーヒーのように感じられることがあります。アシディティを楽しみたい場合は、焙煎度にも注目して選ぶと好みに近づきやすくなります。

コーヒー産地を眺めながらコーヒーを味わうイラスト

抽出でアシディティは変わる?

湯温が低いと酸味が目立つことがある

抽出時の湯温は、アシディティの感じ方に影響します。湯温が低すぎると成分が十分に出ず、甘みやコクよりも酸味だけが目立つことがあります。

特に浅煎りの豆では、少し高めの湯温で抽出したほうが甘みや香りが出やすく、酸がまとまりやすくなります。酸味が尖ると感じたときは、湯温を見直すのもひとつの方法です。

抽出不足では尖った酸になりやすい

コーヒーは抽出が不足すると、酸味が前に出やすくなります。甘みや苦味、コクが十分に出る前に抽出が終わってしまうため、酸だけが浮いたように感じられるのです。

抽出不足を避けるには、挽き目を少し細かくする、抽出時間を少し長くする、湯量や注ぎ方を整えるなどの調整が有効です。アシディティを抑えるというより、甘みと一緒に出すことがポイントです。

適切な抽出で甘みと酸がまとまる

適切に抽出されたコーヒーは、酸味だけが突出せず、甘みや香りと自然にまとまります。明るさがありながら飲みやすく、後味もきれいに感じられます。

アシディティをおいしく楽しむには、酸を消そうとするのではなく、全体のバランスを整える意識が大切です。抽出が整うと、同じ豆でも印象が大きく変わります。

ハンドドリップでコーヒーを淹れるイラスト

アシディティをおいしく引き出すコツ

豆の鮮度を保つ

アシディティをきれいに感じるには、豆の鮮度も重要です。焙煎から時間が経ちすぎた豆は香りが弱くなり、酸の印象だけがぼんやり残ることがあります。

開封後は空気、光、湿気、熱を避けて保存し、できるだけ早めに飲み切るのがおすすめです。新鮮な豆ほど、酸と香りのつながりが感じやすくなります。

挽き目と抽出時間を整える

挽き目が粗すぎたり、抽出時間が短すぎたりすると、酸味が強く出やすくなります。反対に細かすぎたり長すぎたりすると、苦味や渋みが出てアシディティのきれいさが隠れることがあります。

酸が尖ると感じるときは、少し細かく挽く、抽出時間を少し長くするなど、小さく調整してみましょう。一度に大きく変えるより、少しずつ試すほうが好みの味を見つけやすくなります。

甘みが出る抽出を意識する

アシディティをおいしく感じるためには、甘みを引き出すことが大切です。酸味と甘みが合わさることで、果実のような印象が生まれます。

抽出レシピを考えるときは、酸を弱めることだけに注目せず、甘みや香りがきちんと出ているかを確認しましょう。バランスが整うと、酸味が苦手な人でも飲みやすく感じることがあります。

複数のコーヒーをテイスティングするイラスト

酸味が苦手な人のアシディティの楽しみ方

中煎りから試す

酸味が苦手な人は、いきなり浅煎りを選ぶよりも中煎りから試すと入りやすくなります。中煎りは酸、甘み、コクのバランスが取りやすく、尖った印象になりにくいからです。

特に中南米系の豆や、チョコレート、ナッツ、りんごのような表現があるコーヒーは、アシディティを穏やかに楽しみやすいタイプです。

ミルクと合わせてみる

アシディティのあるコーヒーは、ミルクと合わせることで印象がやわらかくなることがあります。酸がミルクの甘みやコクと重なり、まろやかな味わいになります。

特にベリーや柑橘のような酸を持つコーヒーは、ミルクと合わせるとデザートのような印象になることもあります。ブラックで飲みにくいと感じたら、ミルクを少し加えて試してみるのもおすすめです。

冷め方による変化を確認する

コーヒーのアシディティは、温度によって感じ方が変わります。熱いときは香りが中心に感じられ、少し冷めると酸や甘みがわかりやすくなることがあります。

一杯をゆっくり飲みながら、温度ごとの変化を見てみると、アシディティの質がつかみやすくなります。冷めても甘みや果実感が残るコーヒーは、よいアシディティを持っている可能性があります。

コーヒーを手に街を歩くイラスト

アシディティの表現例

シトラスのような明るさ

シトラス系のアシディティは、レモン、オレンジ、グレープフルーツのような明るい印象として表現されます。爽やかで軽やかに感じられ、後味をすっきりさせる役割があります。

エチオピアや中米の浅煎りコーヒーで見られることがあり、朝や暑い季節にも飲みやすい印象を与えます。

ベリーのような果実感

ベリー系のアシディティは、ブルーベリー、ラズベリー、カシスのような甘酸っぱい印象です。酸だけでなく香りや甘みも伴うため、華やかでジューシーに感じられます。

ナチュラル精製のエチオピアや、ケニアのコーヒーなどで感じられることがあります。フルーティーなコーヒーが好きな人にとって、魅力的な表現です。

りんごやぶどうのような爽やかさ

りんごやぶどうのようなアシディティは、シトラスほど鋭くなく、ベリーほど濃厚でもない、やさしい爽やかさとして感じられます。甘みとバランスが取りやすく、飲みやすい印象になりやすいタイプです。

酸味が苦手な人でも受け入れやすいことが多く、アシディティを少しずつ楽しみたいときに向いています。

コーヒー豆と温かいコーヒーカップのイラスト

カッピングでのアシディティ評価

強さだけでなく質を見る

カッピングでは、アシディティの強さだけでなく、その質が重視されます。強い酸でも、きれいで甘みとつながっていれば高く評価されることがあります。

反対に、酸が強くても刺激的だったり、未熟な印象があったりすると、よいアシディティとは判断されにくくなります。大切なのは量ではなく、心地よさと明瞭さです。

甘みやボディとの調和を見る

アシディティは、甘みやボディとのバランスの中で評価されます。酸が明るくても、甘みが足りなければ薄く感じられますし、ボディが重すぎると酸の透明感が隠れることがあります。

よいコーヒーは、酸、甘み、ボディ、香りがそれぞれ独立せず、ひとつの味わいとしてまとまっています。カッピングではこの調和が丁寧に見られます。

後味まで含めて判断する

アシディティの評価では、飲み込んだあとの余韻も大切です。よい酸は後味をきれいにし、口の中に心地よい明るさを残します。

一方で、尖った酸や渋みを伴う酸は、後味に不快感として残ることがあります。最初の印象だけでなく、最後までどう続くかを見ることで、アシディティの質がわかりやすくなります。

コーヒー豆を丁寧に選別するイラスト

アシディティとフレーバーの関係

酸が香りの印象を明るくする

アシディティは、コーヒーの香りを明るく感じさせる役割があります。フローラル、シトラス、ベリー、トロピカルフルーツのような香りは、酸の印象と結びつくことでより鮮やかに感じられます。

香りだけでなく味にも明るさがあると、フレーバー全体が立体的になります。アシディティは、香りを味わいとして感じるための支えにもなっています。

果実系フレーバーと結びつきやすい

コーヒーで果実のようなフレーバーを感じるとき、その多くはアシディティと関係しています。りんご、オレンジ、ベリー、ぶどうのような表現は、酸と甘みのバランスによって生まれます。

そのため、フルーティーなコーヒーを選びたいときは、商品説明に書かれたアシディティやフレーバー表現を確認すると参考になります。

酸だけが浮くとバランスを崩す

アシディティは魅力的な要素ですが、酸だけが目立ちすぎるとバランスを崩します。香りや甘みが弱いまま酸だけが強いと、すっぱい、薄い、飲みにくいと感じられやすくなります。

おいしいアシディティは、他の要素と一緒に存在しています。酸を主役にしつつも、甘みや香りが支えているコーヒーほど、完成度の高い味わいになります。

焙煎士がコーヒー豆を焙煎するイラスト

アシディティを選ぶときのポイント

商品説明のフレーバー表現を見る

アシディティのあるコーヒーを選ぶときは、商品説明のフレーバー表現を見ると参考になります。レモン、オレンジ、りんご、ベリー、カシス、ぶどうなどの言葉がある場合、明るい酸を感じやすい可能性があります。

一方で、チョコレート、ナッツ、キャラメル、ロースト感などの表現が中心なら、酸は穏やかで甘みやコクが前に出るタイプかもしれません。

焙煎度を確認する

アシディティの感じ方は焙煎度によって大きく変わります。浅煎りは酸が出やすく、深煎りは酸が穏やかになりやすい傾向があります。

酸味に慣れていない場合は、中煎りや中浅煎りから試すと選びやすくなります。逆に果実感をしっかり楽しみたい場合は、浅煎りのスペシャルティコーヒーを選ぶとよいでしょう。

好みの酸のタイプを覚える

アシディティにはさまざまなタイプがあります。柑橘のようなシャープな酸、りんごのようなやさしい酸、ベリーのようなジューシーな酸など、感じ方は豆によって異なります。

飲んでおいしいと感じたコーヒーの産地、精製方法、焙煎度、フレーバー表現を覚えておくと、次に選ぶときの手がかりになります。酸味が苦手だと思っていた人でも、好みのアシディティに出会えることがあります。

コーヒーミルやケトルなど抽出器具のイラスト

アシディティのまとめ

コーヒーの明るさや果実感を表す大切な要素

アシディティは、コーヒーの味わいに明るさや爽やかさを与える大切な要素です。単なるすっぱさではなく、果実感、透明感、後味のきれいさまで含めて考えると理解しやすくなります。

特にスペシャルティコーヒーでは、アシディティが豆の個性を表す重要なポイントになります。

よいアシディティは甘みや香りと調和する

よいアシディティは、酸だけが目立つのではなく、甘みや香りと自然に調和しています。果物のような甘酸っぱさや、すっきりした余韻は、バランスのよい酸によって生まれます。

酸味が苦手な人でも、質のよいアシディティを持つコーヒーなら、爽やかで飲みやすいと感じることがあります。

豆選びと抽出で楽しみ方を調整できる

アシディティの感じ方は、産地、焙煎度、精製方法、抽出条件によって変わります。酸をしっかり楽しみたいなら浅煎りやエチオピア、ケニアなどを、穏やかに楽しみたいなら中煎りや中南米系の豆を選ぶとよいでしょう。

また、抽出を整えることで、酸味は尖った印象から甘みのある明るさへ変わります。アシディティを知ることは、コーヒーの味をより深く楽しむための近道です。

コーヒー豆と温かいコーヒーカップのイラスト