スクリーン選別とは、コーヒー豆を大きさごとに分ける選別方法です。穴の開いたふるいのような道具を使い、一定のサイズ以上の豆と、それより小さい豆を分けていきます。コーヒーの生豆取引や等級分けでよく使われる考え方です。

コーヒー豆は、同じ農園や同じロットの中でも大きさが完全にそろっているわけではありません。大粒の豆、小粒の豆、丸いピーベリーなどが混ざることがあります。粒の大きさが大きく違うと、焙煎時の熱の入り方に差が出やすくなります。

この記事では、スクリーン選別とは何か、スクリーンサイズの基本、選別が必要な理由、サイズと味の関係、実際の選別の流れまでをわかりやすく解説します。コーヒー豆の商品説明で「スクリーン18」や「AA」などの表記を見たときに、意味を理解しやすくなります。

目次 [ close ]
  1. スクリーン選別とは何か
    1. コーヒー豆をサイズで分ける選別方法
    2. 穴の開いたふるいを使う
    3. 品質管理や等級分けに使われる
  2. スクリーンサイズの基本
    1. スクリーン番号は豆の大きさを示す
    2. 数字が大きいほど豆も大きい
    3. 国や産地によって表示方法が異なる
  3. スクリーン選別が必要な理由
    1. 焙煎ムラを減らすため
    2. 商品の見た目をそろえるため
    3. 等級や価格に影響するため
  4. スクリーンサイズと味の関係
    1. 大粒だから必ずおいしいわけではない
    2. 粒がそろうと焙煎しやすい
    3. 品種や産地の特徴も重要
  5. スクリーン選別の流れ
    1. 乾燥・脱穀後に選別する
    2. ふるいでサイズごとに分ける
    3. 欠点豆の選別と組み合わせる
  6. よく見るスクリーン表記
    1. スクリーン18・17・16
    2. AAやABなどのサイズ表記
    3. ピーベリーとの関係
  7. スクリーン選別と焙煎
    1. サイズがそろうと熱の入り方が安定する
    2. 大粒豆は焙煎に時間がかかることがある
    3. 小粒豆にも甘味や個性がある
  8. スクリーン選別とスペシャルティコーヒー
    1. サイズだけで品質は決まらない
    2. カップ評価が重視される
    3. トレーサビリティと組み合わせて見る
  9. コーヒー豆を選ぶときのポイント
    1. スクリーンサイズは目安として見る
    2. 産地・品種・精製方法も確認する
    3. 焙煎度と味の説明を読む
  10. まとめ:スクリーン選別は豆のサイズを整える大切な工程
    1. 焙煎の安定につながる
    2. 見た目や等級にも関係する
    3. 味はサイズ以外の要素と合わせて考える

スクリーン選別とは何か

コーヒー豆をサイズで分ける選別方法

スクリーン選別とは、コーヒー豆を粒の大きさで分ける工程です。主に生豆の段階で行われ、一定の大きさごとに分類することで、ロット全体の粒度をそろえます。

コーヒー豆は農作物なので、同じ木や同じ畑から収穫されたものでも、粒の大きさには差があります。スクリーン選別によって大きさをそろえることで、焙煎や品質管理がしやすくなります。

穴の開いたふるいを使う

スクリーン選別では、穴の開いた金属板やふるいのような道具を使います。穴の大きさが決まっており、その穴を通る豆と通らない豆を分けることで、サイズごとに分類します。

豆が穴を通り抜ければそのサイズより小さい豆、通らなければそのサイズ以上の豆と判断できます。複数のスクリーンを使うことで、豆をより細かいサイズに分けることができます。

品質管理や等級分けに使われる

スクリーン選別は、品質管理や等級分けにも使われます。国や産地によっては、豆のサイズが等級表示に関わることがあります。たとえば、大粒の豆に高い等級名が付けられる場合もあります。

ただし、サイズが大きいから必ず高品質というわけではありません。スクリーン選別はあくまでサイズをそろえる工程であり、味の良し悪しは産地、品種、精製、焙煎、欠点豆の少なさなども含めて判断されます。

コーヒー市場で豆を選ぶイラスト

スクリーンサイズの基本

スクリーン番号は豆の大きさを示す

スクリーンサイズは、コーヒー豆の大きさを示す番号です。一般的には、スクリーン16、17、18といった数字で表されます。数字が大きいほど、豆のサイズも大きくなります。

この番号は、ふるいの穴の大きさに対応しています。生豆の取引では、スクリーンサイズを表示することで、豆の大きさをある程度そろえたロットであることを示します。

数字が大きいほど豆も大きい

スクリーンサイズでは、基本的に数字が大きいほど豆も大きくなります。たとえば、スクリーン18はスクリーン16より大きい豆を指します。大粒の豆は見た目に存在感があり、商品価値が高く見られることもあります。

一方で、小粒の豆だから味が劣るとは限りません。品種によっても粒の大きさは違いますし、小粒でも甘味や香りに優れたコーヒーはあります。数字はサイズの目安であり、味の評価そのものではありません。

国や産地によって表示方法が異なる

スクリーンサイズの表示方法は、国や産地によって異なることがあります。単純にスクリーン番号で表示される場合もあれば、AA、AB、Aなどの等級名として表されることもあります。

たとえば、ケニアではAAやABといった表記がよく知られています。これらは主に豆のサイズに関係する表記ですが、国ごとに基準が違うため、同じような文字でも意味が完全に同じとは限りません。

複数のコーヒーをテイスティングするイラスト

スクリーン選別が必要な理由

焙煎ムラを減らすため

スクリーン選別が重要な理由のひとつは、焙煎ムラを減らすためです。大きさが大きく違う豆が混ざっていると、小さい豆は早く火が入り、大きい豆は火が入りにくくなります。

その結果、同じ釜の中でも、ある豆は焼けすぎ、別の豆は火が入りきらないという状態が起こりやすくなります。粒の大きさをそろえることで、熱の入り方が安定し、焙煎の仕上がりも整いやすくなります。

商品の見た目をそろえるため

スクリーン選別は、商品の見た目を整えるためにも役立ちます。粒の大きさがそろっている豆は、見た目にきれいで、品質管理が行き届いている印象を与えます。

特に生豆の取引や、焙煎豆の商品として販売する場合、粒のばらつきが大きいと品質に不安を感じることがあります。スクリーン選別によって見た目をそろえることは、買い手や飲み手にとってもわかりやすい品質の目安になります。

等級や価格に影響するため

国や産地によっては、スクリーンサイズが等級や価格に影響します。大粒の豆に高い等級名が付けられ、取引価格が高くなることもあります。これは、大粒の豆が見た目に優れ、焙煎しやすいと考えられるためです。

ただし、等級が高いから必ず味が好みに合うとは限りません。スクリーンサイズは価格や流通上の基準として重要ですが、実際の味はカップ評価や焙煎、抽出によって判断する必要があります。

カフェでコーヒーと仕事を楽しむイラスト

スクリーンサイズと味の関係

大粒だから必ずおいしいわけではない

スクリーンサイズが大きい豆は高く評価されることがありますが、大粒だから必ずおいしいわけではありません。コーヒーの味は、品種、産地、標高、精製方法、焙煎度、鮮度など、多くの要素で決まります。

大粒でも風味が平坦な豆もあれば、小粒でも香りや甘味が豊かな豆もあります。スクリーンサイズは、味を判断するためのひとつの情報ですが、それだけで良し悪しを決めるのは早いです。

粒がそろうと焙煎しやすい

スクリーン選別の大きなメリットは、粒がそろうことで焙煎しやすくなることです。サイズが近い豆同士なら、熱の入り方が比較的そろいやすく、狙った焙煎度に仕上げやすくなります。

焙煎が安定すると、味のばらつきも抑えやすくなります。酸味、甘味、苦味、香りのバランスを整えやすくなるため、スクリーン選別は焙煎品質を支える工程といえます。

品種や産地の特徴も重要

スクリーンサイズを見るときは、品種や産地の特徴も合わせて考えることが大切です。もともと大粒になりやすい品種もあれば、小粒でも高品質な品種もあります。

また、同じスクリーンサイズでも、ブラジル、ケニア、コロンビア、エチオピアでは味の印象がまったく異なります。豆の大きさは見た目の情報であり、味を知るには産地や精製方法も一緒に見る必要があります。

カウンターでハンドドリップするイラスト

スクリーン選別の流れ

乾燥・脱穀後に選別する

スクリーン選別は、多くの場合、コーヒーが乾燥・脱穀されたあとに行われます。果肉やパーチメントを取り除いた生豆の状態で、サイズごとに分類していきます。

この段階では、豆の大きさだけでなく、欠点豆や異物の除去も重要になります。スクリーン選別は単独で完結する工程というより、品質管理の一部として行われるものです。

ふるいでサイズごとに分ける

選別では、穴の大きさが異なるスクリーンを使い、豆をサイズごとに分けます。大きい穴を通らない豆、小さい穴を通る豆というように、段階的に分類していきます。

機械を使って大量に処理する場合もあれば、小規模なロットではより丁寧に人の手による確認が加わることもあります。サイズをそろえることで、後の焙煎や出荷がしやすくなります。

欠点豆の選別と組み合わせる

スクリーン選別は、豆の大きさをそろえる工程ですが、品質を高めるには欠点豆の選別も欠かせません。割れ豆、虫食い豆、黒豆、未熟豆などが混ざっていると、味に悪い影響を与えることがあります。

そのため、スクリーン選別のあとにハンドピックや比重選別、色彩選別などを組み合わせることがあります。サイズだけでなく、見た目や密度、色の違いまで確認することで、より品質の高いロットに仕上がります。

焙煎士がコーヒー豆を焙煎するイラスト

よく見るスクリーン表記

スクリーン18・17・16

コーヒー豆の商品説明では、スクリーン18、スクリーン17、スクリーン16といった表記を見ることがあります。これは豆のサイズを示す数字で、基本的には数字が大きいほど豆も大きくなります。

たとえば、スクリーン18は比較的大粒の豆、スクリーン16はそれより少し小さい豆というように捉えるとわかりやすいです。焙煎豆として見ると、粒の大きさがそろっているほど見た目が整い、焙煎の安定にもつながりやすくなります。

AAやABなどのサイズ表記

スクリーン番号ではなく、AAやABといった表記が使われる産地もあります。特にケニアのコーヒーでは、AA、AB、PBなどの表記がよく知られています。これらは主に豆のサイズや形状に関係する分類です。

AAは大粒の豆として扱われることが多く、ABはそれよりやや小さめの豆を含む区分です。ただし、AAだから必ず味が優れている、ABだから劣るという意味ではありません。サイズ分類とカップ品質は分けて考える必要があります。

ピーベリーとの関係

ピーベリーは、通常の平たい豆とは違い、丸い形をした豆です。コーヒーチェリーの中に種子がひとつだけできた場合に生まれます。スクリーン選別では、ピーベリーを通常のフラットビーンとは別に分けることがあります。

ピーベリーは形が丸いため、焙煎時に転がりやすく、熱が比較的均一に入りやすいといわれることもあります。ただし、ピーベリーもサイズや品質はさまざまです。特別な豆として扱われることはありますが、味の良し悪しは実際のカップで判断することが大切です。

コーヒー豆を丁寧に選別するイラスト

スクリーン選別と焙煎

サイズがそろうと熱の入り方が安定する

スクリーン選別は、焙煎の安定に大きく関わります。サイズの違う豆が混ざっていると、小さい豆は早く火が入り、大きい豆は中心まで熱が届くのに時間がかかります。

粒がそろっていれば、焙煎中の反応もそろいやすくなります。結果として、焼きムラや味のばらつきを抑えやすくなり、狙った香りや甘味を引き出しやすくなります。

大粒豆は焙煎に時間がかかることがある

大粒の豆は、中心まで熱を入れるのに時間がかかることがあります。外側だけが先に焼け、内側の火入れが不足すると、青っぽさや硬さが残ることがあります。

そのため、焙煎士は豆のサイズや密度を見ながら、火力や時間を調整します。大粒豆は扱いが難しい面もありますが、うまく焙煎できれば、甘味や香りがしっかり出ることがあります。

小粒豆にも甘味や個性がある

小粒の豆は、大粒の豆より下に見られることがありますが、味が劣るとは限りません。小粒でも密度が高く、甘味や酸味、香りに優れた豆はあります。

エチオピアなどでは小粒の豆も多く見られますが、華やかな香りや複雑な味わいを持つものがあります。スクリーンサイズは焙煎の目安にはなりますが、豆の価値を決める唯一の基準ではありません。

コーヒーミルやケトルなど抽出器具のイラスト

スクリーン選別とスペシャルティコーヒー

サイズだけで品質は決まらない

スペシャルティコーヒーでは、スクリーンサイズだけで品質は決まりません。重要なのは、実際にカップで飲んだときの香り、酸味、甘味、質感、余韻、クリーンさなどです。

サイズがそろっていることは品質管理の一部ですが、それだけでおいしさが保証されるわけではありません。大粒でもカップ評価が低い豆もあれば、小粒でも高く評価される豆もあります。

カップ評価が重視される

スペシャルティコーヒーでは、カッピングによる評価が重視されます。カッピングでは、香り、フレーバー、後味、酸味、ボディ、バランス、クリーンカップなどを確認します。

スクリーン選別で粒がそろっていても、カップで雑味があれば高い評価にはなりません。反対に、粒が小さくても、香りや甘味が美しく、欠点が少ない豆であれば高く評価されることがあります。

トレーサビリティと組み合わせて見る

現代のコーヒー選びでは、スクリーンサイズに加えて、トレーサビリティも大切です。どの国、どの地域、どの農園で作られたのか、品種や精製方法は何か、といった情報が味の理解につながります。

スクリーンサイズは豆の物理的な特徴を示しますが、産地や生産者の情報は味の背景を教えてくれます。両方を組み合わせて見ることで、コーヒー選びがより楽しくなります。

ハンドドリップでコーヒーを淹れるイラスト

コーヒー豆を選ぶときのポイント

スクリーンサイズは目安として見る

コーヒー豆を選ぶとき、スクリーンサイズはあくまで目安として見るのがおすすめです。大粒の豆は見た目がよく、焙煎しやすいことがありますが、それだけで味が決まるわけではありません。

「スクリーン18だからおいしい」「小粒だからよくない」と単純に考えるのではなく、豆の個性を知るためのひとつの情報として捉えるとよいでしょう。

産地・品種・精製方法も確認する

豆を選ぶときは、スクリーンサイズに加えて、産地、品種、精製方法も確認しましょう。ブラジル、ケニア、コロンビア、エチオピアなど、産地によって味の傾向は大きく変わります。

品種によって粒の大きさや味の傾向も違います。精製方法も、ウォッシュドならすっきり、ナチュラルなら果実感、ハニー精製なら甘味が出やすいなど、味を想像する手がかりになります。

焙煎度と味の説明を読む

最後に、焙煎度とロースターの味の説明を確認しましょう。同じスクリーンサイズの豆でも、浅煎りなら酸味や香りが前に出やすく、中深煎りならコクや甘味が強まりやすくなります。

商品説明に書かれている「チョコレート」「柑橘」「ナッツ」「紅茶」「ベリー」などの表現は、自分の好みに合うかどうかを判断するヒントになります。スクリーンサイズだけでなく、味の説明まで見ることで、失敗しにくくなります。

焙煎機と焙煎されたコーヒー豆のイラスト

スクリーン選別に関連する道具

コーヒー豆・粉の保存用品です。精製途中の原料や食品でない種子の保存用途としては案内しません。

HARIO 珈琲キャニスターM MCNR-200-B

Amazonで商品を見る(広告)

まとめ:スクリーン選別は豆のサイズを整える大切な工程

焙煎の安定につながる

スクリーン選別は、コーヒー豆をサイズごとに分ける工程です。粒の大きさをそろえることで、焙煎時の熱の入り方が安定しやすくなります。

焙煎ムラを減らし、味のばらつきを抑えるためにも、スクリーン選別は重要な役割を持っています。おいしいコーヒーを安定して作るための土台になる工程です。

見た目や等級にも関係する

スクリーンサイズは、見た目や等級表示にも関係します。スクリーン18、17、16、AA、AB、PBなどの表記は、豆の大きさや形状を知る手がかりになります。

ただし、サイズが大きいから必ず高品質というわけではありません。等級や価格に影響することはありますが、実際の味はカップで確認する必要があります。

味はサイズ以外の要素と合わせて考える

コーヒーの味は、スクリーンサイズだけで決まるものではありません。産地、品種、精製方法、標高、焙煎度、鮮度など、さまざまな要素が重なって一杯の味が生まれます。

スクリーン選別は、豆を理解するための大切な情報のひとつです。サイズ表記を目安にしながら、ほかの情報も合わせて見ることで、自分に合うコーヒーを選びやすくなります。

コーヒーを手に街を歩くイラスト