「麦芽コーヒー」という名前だけでは、カフェインの有無は決まりません。麦芽を含む穀物だけで作ったコーヒー風飲料もあれば、コーヒーを加えた豆乳飲料もあります。たとえばキッコーマン「豆乳飲料 麦芽コーヒー」の公式表示はカフェイン27mg/200ml。同じメーカーで以前販売されていた「低糖質 豆乳飲料麦芽コーヒー」は、公式表示が0mg/200mlでしたが、現在はメーカーの商品一覧で販売終了と案内されています。過去商品を現行品の購入候補に混ぜず、どの時期のどの商品かを区別する必要があります。

買う前には、①正確な商品名と飲料の種類、②原材料にコーヒーや茶などが含まれるか、③カフェイン量の表示とその基準容量を確認しましょう。アレルギーやグルテンが気になる場合は、麦芽の由来と商品ごとの表示も別に確認します。この記事では実在商品のメーカー情報を例に、表示の読み方と飲み方の違いを整理します。

アイキャッチは飲み物のイメージであり、特定商品のパッケージや実測結果ではありません。商品情報の確認日:2026年10月10日。

まず確認:手元の「麦芽コーヒー」はどの種類?

「麦芽」は麦を発芽させて得られる原料を指します。一方、「麦芽コーヒー」は単一の製法や原材料を保証する統一名称ではありません。コーヒー豆を使わない穀物コーヒーの説明で使われることも、麦芽とコーヒーを合わせた豆乳飲料の商品名に使われることもあります。名前から先に飲料の種類を決めつけず、パッケージの原材料と作り方を見てください。

穀物を使ったコーヒー風飲料

大麦麦芽などの穀物やチコリを焙煎・加工した飲料です。コーヒーを原料に含まず、メーカーがノンカフェインと案内する商品があります。ただし「麦芽100%」「どれも同じ味」「どれも必ずカフェイン0mg」とは限りません。原料が大麦だけの製品、ライ麦やチコリを合わせた製品、溶かすインスタントタイプなど、構成も使い方も商品別です。

例としてオーサワジャパンが掲載する「ビオピュール オーガニック穀物コーヒー」は、有機ライ麦・有機大麦麦芽・有機大麦・有機チコリ・有機いちじくを原料とするインスタントタイプで、商品ページに「ノンカフェイン」とあります。商品の原材料と飲み方を公式情報で確認することができます。これは「大麦麦芽だけを焙煎した飲料」ではなく、複数原料の穀物コーヒーです。

コーヒーを含む「麦芽コーヒー」味の豆乳飲料

キッコーマンの通常品「豆乳飲料 麦芽コーヒー」は、豆乳をベースに麦芽エキスとコーヒーなどを加えた、開封してそのまま飲む商品です。メーカーの原材料欄には「コーヒー」があり、栄養成分欄に200ml当たりカフェイン27mgと示されています。穀物コーヒーの「お湯で粉末を溶かす」「麦を抽出する」作り方を、この豆乳飲料に当てはめないでください。

同じメーカーの「低糖質 豆乳飲料麦芽コーヒー」は、「粉末コーヒー(カフェインレス)」を使い、個別の公式ページには200ml当たり0mgと記載されています。ただし、現在の商品一覧では200ml・1000mlとも販売終了品として掲載されています。ここでは名称と表示の違いを示す過去商品例として扱い、現行商品の購入案内には含めません。通常品と低糖質品は別商品です。

現行品と過去商品例の表示を比較

次の表は名称が似ていても中身が違うことを示すためのものです。数値は各商品ページの表示をそのままの基準量で記載しました。1000ml入りの商品に200ml当たりの数値をそのまま「1本当たり」と読み替えないでください。

スマートフォンでは、次の比較表を左右にスクロールして確認できます。

商品と飲料の種類 原材料・飲み方の要点 カフェイン表示
キッコーマン 豆乳飲料 麦芽コーヒー
豆乳飲料/200ml・1000ml
大豆、糖類、麦芽エキス、コーヒーなど。開封後そのまま飲む。 27mg/200ml。コーヒーを含む。
キッコーマン 低糖質 豆乳飲料麦芽コーヒー
販売終了した過去商品/200ml・1000ml
大豆、麦芽エキス、粉末コーヒー(カフェインレス)など。通常品とは別の配合。現行の購入候補にはしない。 0mg/200mlという当該商品の公式表示。販売終了後も表示の違いを示す資料として参照。
ビオピュール オーガニック穀物コーヒー
穀物コーヒー/100g
ライ麦、大麦麦芽、大麦、チコリ、いちじく。湯などで溶くインスタントタイプ。 商品ページにノンカフェインと記載。mg単位の数値は同ページで確認できず、推測しない。

出典は各商品名のリンク先。確認日:2026年10月10日。低糖質品はメーカーの商品一覧で販売終了を確認しました。流通在庫の有無は販売店で確認してください。通常品を含め、商品の改訂や手元のパッケージによって表示が変わる可能性があります。

カフェインを避けたいときの表示の読み方

1. 正式な商品名を最後まで読む

「麦芽コーヒー」という部分だけでなく、「豆乳飲料」「低糖質」「砂糖不使用」「穀物コーヒー」などの前後も確認します。通常品、低糖質品、砂糖不使用品は同じブランドでも配合が異なる可能性があります。この表の27mgと0mgは、上記の二つの特定商品についての表示であり、他の麦芽飲料や砂糖不使用品に転用できません。

2. 原材料とカフェイン量を別々に見る

原材料に「コーヒー」「粉末コーヒー」「茶」「カカオ」などがあるかを見ます。ただし、原材料欄だけでは最終製品のカフェイン量は読み取れません。栄養成分表示やメーカーの商品情報に数値・「カフェインレス」「ノンカフェイン」の記載がある場合は、対象の商品と量を照合します。特にカフェインを厳密に制限している人は、表示が見当たらなければ自己判断でゼロとせず、メーカーに問い合わせてください。

3. 「何ml当たり」かを確認する

キッコーマン通常品の27mgは200ml当たりの数字です。「一口」「1杯」「1L入りの紙パック1本」当たりの数字ではありません。飲む量やほかの食品・飲料からの摂取量も考える必要があります。また0mg表示も、その特定商品の表示基準量についての情報です。商品全般や個人にとっての安全性まで示すものではありません。

同じ「コーヒー風」でも、コーヒー豆を使わない飲料とカフェインを除去したコーヒーは別です。代用コーヒーの材料ごとの違い、たんぽぽを使う飲料の特徴も参考になります。ただしリンク先を含め、実際に買う商品の最終表示を優先してください。

飲み方は商品区分で変わる

豆乳飲料は薄めず、そのまま飲む

現行の通常品と、販売終了した低糖質品は、どちらも容器入りの豆乳飲料として販売された商品です。コーヒー粉や麦芽を買って抽出するための材料ではありません。最初は表示された状態で飲み、甘さや濃さが好みに合わなければ、飲み切る量を調整するか、商品選びを見直すほうが味を判断しやすいでしょう。メーカーは未開封での保存条件と、開封後は早めに飲むことを示しています。開封済みを長時間常温に置かないでください。

温めて飲みたい場合は、容器を電子レンジでそのまま加熱したり、自動加熱で熱くしすぎたりしないようにします。メーカーのホット豆乳案内は、突沸ややけどを避けるため温めすぎと自動機能での加熱を控えるよう注意しています。温め方は手元の容器表示も確認してください。

穀物コーヒーは商品の作り方で溶かす

ビオピュールの公式案内では、ホットはティースプーン1~2杯(約2g)に湯約140cc、アイスはティースプーン3~4杯(約4g)を水約200ccでよく混ぜ、好みで氷を加えます。これはビオピュールという特定のインスタント商品の目安です。別の粉末、ティーバッグ、抽出用の粒に同じ分量・時間を流用しないでください。粉末が溶ける商品と、湯で抽出して濾す商品は工程が違います。

最初はメーカー表示どおりに作り、濃いと感じたら次回に粉末を少し減らし、薄いと感じたら表示の範囲で増やすのが安全な調整です。これは家庭での調整案であり、試飲結果ではありません。牛乳や豆乳を加える場合も、対象商品のアレルゲンと甘さを確かめてから少量ずつ足してください。

麦芽を買って自家焙煎する手順は掲載しない

以前の記事には、麦芽をフライパンやオーブンで焙煎し、粉砕・煮出す手順がありました。しかし、原料の加工状態、食品としての適否、焙煎温度・時間、安全条件を確認できるレシピの出典がないため、再現可能な標準手順としては案内しません。家庭で試す場合も、用途が明記された食品を選び、製造者が示す使用方法を優先してください。飲用に適さない原料や製麦用の材料を、名称だけで飲料用と判断しないでください。

味・甘さ・栄養を名前から決めつけない

焙煎穀物を使う飲料と、コーヒーを含む豆乳飲料では、香りや甘さの組み立てが違います。ビオピュールは販売元が「程よい酸味と苦み」と説明しています。キッコーマン通常品はコーヒーと麦芽を合わせた現行の豆乳飲料で、低糖質品は別配合の販売終了品です。ここで紹介する味の表現は商品説明に基づくもので、当サイトが試飲して確認した感想ではありません。どの商品も「コーヒーと同じ味」「苦味がない」と一律には言えません。

甘さも麦芽だけで判断できません。通常のキッコーマン豆乳飲料には糖類(ぶどう糖果糖液糖、砂糖)が含まれ、公式表示の糖質は15.6g/200ml。販売終了した低糖質品は甘味料などを使い、公式ページに糖質2.8g/200mlと記録されています。数値はカフェイン量とは別の情報です。「低糖質だからカフェインがない」「ノンカフェインだから糖類がない」という推論はできません。

また、麦芽を原料に使うことだけから、飲料の食物繊維量や健康効果は決まりません。たとえばキッコーマン通常品の食物繊維は公式表示で0.6g/200mlです。麦そのものを食べたときの栄養価を、抽出・加工後の飲み物にそのまま当てはめないでください。体に合うかどうかは原材料、量、個人の状態によっても変わります。

妊娠・授乳中、就寝前、体調が気になる場合

妊娠中・授乳中の飲み物を選ぶときに「麦芽コーヒーだから安心」とは言えません。通常品のようにカフェインを含む商品があり、同日に飲むコーヒー・茶・菓子などの摂取量も関係します。厚生労働省のカフェイン過剰摂取に関するQ&Aは、妊婦について海外機関による摂取制限の考え方を紹介しています。記事内の27mgだけで個人の摂取可否を決めず、必要なら主治医・助産師に相談してください。

販売終了した低糖質品に記録された「0mg/200ml」という表示や、穀物飲料の「ノンカフェイン」という案内も、その商品・表示条件についての情報です。アレルギー、糖類、ほかの原料、服薬中の事情を含めて「誰でも安全」を意味するわけではありません。就寝前の飲用についても、カフェイン以外に本人の体調や飲む量があります。胃にやさしい、眠りに必ず影響しない、といった効果は保証できません。

大麦・小麦・グルテン・アレルギーを分けて確認

「大麦麦芽」と「小麦」は別の原料です。また、日本のアレルギー表示で小麦の表示がないことと、大麦を含まないことは同義ではありません。消費者庁のアレルゲン表示資料は、表示対象となる「小麦」の範囲を説明し、大麦やライ麦はその対象外としています。原材料欄に「麦芽エキス」「大麦麦芽」「ライ麦」などがあるか、アレルゲン表示と合わせて確認する必要があります。

セリアック病などでグルテンを避ける必要がある場合はさらに注意が必要です。Celiac Disease Foundationの資料は、大麦・ライ麦とそれらに由来する麦芽をグルテン源として挙げています。「小麦不使用」だけを見てグルテンフリーと判断しないでください。一方、小麦アレルギー、大麦に対するアレルギー、セリアック病は同じ状態ではありません。自身に必要な除去範囲が不明な場合は医療者に確認してください。

商品ごとの表示にも差があります。キッコーマンの現行通常品と販売終了した低糖質品の個別ページは、いずれも「該当するアレルギー特定原材料等」に大豆を示しています。ビオピュールの商品ページのアレルゲン欄には小麦と記載されています。原材料欄にライ麦や大麦麦芽もあるため、小麦表示の理由を推測したり、どちらか一つの欄だけで安全性を決めたりしないでください。重いアレルギーがある場合は手元の包装とメーカーの最新情報を確認し、疑問があれば購入前に問い合わせてください。

よくある疑問

麦芽コーヒーは全部ノンカフェインですか?

いいえ。キッコーマン通常品の公式表示は27mg/200mlです。コーヒー豆を含まない穀物飲料の中にはメーカーがノンカフェインと案内するものもあります。名称ではなく、個別商品の原材料とカフェイン表示で判断してください。

同じブランドなら通常品と低糖質品のカフェイン量は同じですか?

同じとは限りません。上の例では、現行の通常品が27mg/200ml、販売終了した低糖質品が0mg/200mlと表示されていました。砂糖不使用など別の商品に、この二つの数字を当てはめないでください。

麦芽コーヒーと麦茶は同じですか?

同じと決めつけられません。麦茶は一般に焙煎した大麦を抽出する飲料ですが、ここで比較した「麦芽コーヒー」には豆乳にコーヒーを加えた商品と、複数の穀物・チコリを溶かす商品があります。原料も飲み方も異なるため、代わりに使う前に製品表示を確認してください。

粉末をドリッパーで抽出すればよいですか?

インスタントタイプのビオピュールは、メーカーが湯や水で溶いて飲むと案内しています。抽出用の商品とは違います。粉末という見た目だけでコーヒー用ドリッパーや煮出し方を選ばず、対象商品の調理法を読んでください。

カフェイン0mg表示なら、妊娠中やアレルギーがあっても安心ですか?

いいえ。0mgはその商品のカフェイン表示についての情報で、原材料や個人の健康状態まで評価したものではありません。妊娠・授乳中や食物アレルギーがある場合は、原材料・アレルゲン表示を別に確認し、必要なら医療者に相談してください。

購入前のチェックリストとまとめ

  1. 正式な商品名を確認し、穀物コーヒーなのか豆乳飲料なのかを区別する。
  2. 原材料で、コーヒー・茶・大豆・麦芽・大麦・ライ麦などを確認する。
  3. カフェイン表示がある場合は、数値と「何ml当たり」を一緒に読む。表示がなければゼロと推測しない。
  4. 糖質とアレルゲンはカフェインとは別に確認する。小麦表示の有無だけで大麦やグルテンの有無を判断しない。
  5. インスタントは溶かす、抽出用は表示に従って淹れる、容器入り豆乳飲料はそのまま飲む。異なる商品の分量を流用しない。

麦芽コーヒーという言葉は幅広く使われています。「名前で判断せず、商品名・原材料・カフェイン量と基準容量・飲み方を見る」ことが、誤解を避ける一番実用的な方法です。今回確認した通常品27mg/200ml、販売終了した低糖質品0mg/200ml、穀物飲料のノンカフェイン表示は、それぞれ別商品の情報です。購入時は手元の包装とメーカーの最新表示を優先してください。