エスプレッソを飲んだときに、舌へ細かな粒が残る、口当たりがざらざらする、カップの底に粉のような沈殿がたまることがあります。ペーパーフィルターを使わず、高い圧力で短時間に抽出するエスプレッソには微細な固形分や油分が含まれるため、わずかな濁りや沈殿は珍しくありません。

ただし、飲みにくいほど粉っぽい場合は、挽き目が細かすぎる、グラインダーから微粉が多く出ている、粉量とバスケット容量が合っていない、抽出むらが起きているなどの可能性があります。実際の粉ではなく、過抽出による渋味や収れん感を「粉っぽい」と感じている場合もあります。

改善するには、挽き目だけを急に変えず、カップ内の沈殿、抽出時間、抽出量、粉の分布、器具の汚れを順番に確認することが大切です。この記事では、エスプレッソが粉っぽくなる原因と、家庭で再現しやすい調整方法を解説します。

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目次 [ close ]
  1. エスプレッソの「粉っぽい」とは?
    1. 舌に細かな粒が残る状態
    2. ざらつきと渋味を区別する
    3. カップの底に沈殿物があるか確認する
  2. エスプレッソが粉っぽくなる主な原因
    1. 微粉がバスケットを通過している
    2. 挽き目や粒度分布が合っていない
    3. 抽出むらや器具の汚れが影響している
  3. 挽き目が細かすぎる場合
    1. お湯の通りが遅くなる
    2. 過抽出で渋味が強くなる
    3. 一段階ずつ粗くして比較する
  4. グラインダーから出る微粉の影響
    1. エスプレッソ挽きにも粒度のばらつきがある
    2. 刃の摩耗やずれを確認する
    3. グラインダー内部の古い粉を清掃する
  5. ブレード式ミルはエスプレッソに使える?
    1. 粒の大きさをそろえにくい
    2. 微粉と粗い粒が同時に増えやすい
    3. エスプレッソ対応の臼式ミルを検討する
  6. 粉量とバスケット容量の関係
    1. 粉を入れすぎると流れが悪くなる
    2. 粉が少なすぎると抽出むらが起こる
    3. バスケットの適正量を確認する
  7. ドーシングと粉の分布を整える
    1. バスケット内の偏りを減らす
    2. ダマをほぐして均一にする
    3. WDTを使う場合の注意点
  8. タンピングの傾きと圧力
    1. 水平にタンピングする
    2. 強さより毎回の再現性を重視する
    3. バスケットの縁に付いた粉を落とす
  9. チャネリングで粉っぽく感じる理由
    1. お湯が一部だけを速く通過する
    2. 薄さと渋味が同時に出ることがある
    3. 抽出中の偏りや飛び散りを確認する
  10. フィルターバスケットを確認する
    1. 穴の大きさや精度による違い
    2. 穴の詰まりや変形を確認する
    3. バスケットを交換する際の注意点
  11. 加圧式と非加圧式バスケットの違い
    1. 加圧式バスケットの仕組み
    2. 非加圧式は挽き目と粉の準備が重要
    3. 使用中のバスケットを見分ける方法
  12. 抽出時間と抽出量を見直す
    1. 抽出が遅すぎる場合
    2. 抽出量が少なすぎる場合
    3. 粉量・抽出量・時間を記録する
  13. お湯の温度と抽出圧の影響
    1. 高温で渋味が強くなる場合
    2. 圧力を自己流で変更しない
    3. マシンの推奨設定を基準にする
  14. コーヒー豆の状態も確認する
    1. 焙煎直後のガスが多い豆
    2. 古い豆や酸化した油分の影響
    3. 深煎り豆の重い口当たり
  15. 器具の汚れで粉っぽくなることもある
    1. シャワースクリーンに残った粉
    2. ポルタフィルターとバスケットの清掃
    3. グループヘッドの洗浄方法を確認する
  16. 微粉ではなく渋味や焦げ味の可能性
    1. 口の中が乾くような収れん感
    2. 焦げた苦味をざらつきと感じる場合
    3. ペーパーフィルターで微粉を比較する
  17. 症状別に原因を切り分ける
    1. カップの底に粉が多く残る場合
    2. 抽出が極端に遅く苦い場合
    3. 薄いのに渋く粉っぽい場合
  18. 粉っぽさを改善する調整手順
    1. 最初に器具を清掃する
    2. 挽き目と粉量を一項目ずつ変える
    3. 改善しない場合はミルやバスケットを点検する
  19. まとめ|微粉と抽出のざらつきを分けて考える
    1. カップ内の沈殿と抽出状態を確認する
    2. 粒度・粉量・分布を順番に整える
    3. 記録しながら再現できる条件を探す

エスプレッソの「粉っぽい」とは?

舌に細かな粒が残る状態

抽出したエスプレッソを飲んだ後、舌や歯の表面に砂のような粒を感じる場合は、コーヒーの微粉が液体へ入っている可能性があります。エスプレッソ用の粉はドリップ用より細かく、バスケットには多数の小さな穴があります。

ごく細かな粒の一部が抽出液へ移ることはありますが、飲むたびに強くざらつく、最後の一口に大量の粉が残る場合は調整が必要です。

ざらつきと渋味を区別する

舌に粒が見えたり、指で触ってざらついたりする場合は微粉が混入している可能性があります。一方、口の中がきゅっと引き締まり、唾液を奪われたように感じる場合は過抽出などによる収れん感かもしれません。

カップ内に粉が少なくても渋味を粉っぽいと感じることがあります。少し冷まして味を確認し、実際の沈殿と感覚を分けて考えましょう。

カップの底に沈殿物があるか確認する

飲み終えたカップの底に薄く細かな沈殿がある程度なら、抽出液に含まれる微細な固形分である可能性があります。厚い沈殿や粉の塊がある場合は、粒度、バスケット、清掃状態を確認します。

清潔なカップとポルタフィルターを使い、抽出前から付いていた粉と、抽出中に通過した粉を混同しないようにしてください。

コーヒーを手に街を歩くイラスト

エスプレッソが粉っぽくなる主な原因

微粉がバスケットを通過している

コーヒーを挽くと、設定粒度より細かな微粉も一定量生じます。バスケットの穴より小さい微粉は、抽出液と一緒にカップへ移る場合があります。

微粉が生まれる仕組みや味への影響は、コーヒー微粉の特徴と対策でも詳しく解説しています。

微粉が極端に多いと流れが遅くなり、舌触りもざらつきます。挽き目をわずかに粗くし、沈殿量と抽出速度を比較しましょう。

挽き目や粒度分布が合っていない

エスプレッソには細挽きが必要ですが、細かければ細かいほどよいわけではありません。粉が細かすぎるとお湯の通りが悪くなり、苦味や渋味が強くなる場合があります。

大きな粒と微粉が多く混ざる不均一な粉では、抽出不足と過抽出が同時に起こり、薄さと渋味が混在します。

抽出むらや器具の汚れが影響している

バスケット内の粉に密度差があると、お湯が通りやすい場所だけを流れるチャネリングが起こります。薄いのに渋い、濁った味になりやすい状態です。

シャワースクリーンやバスケットに古い粉が残っている場合も、次の抽出液へ粉が混ざります。挽き目を変える前に器具を清掃しましょう。

コーヒーカップを持ってカフェを歩くイラスト

挽き目が細かすぎる場合

お湯の通りが遅くなる

挽き目が細かくなるほど粉の隙間が小さくなり、お湯が通りにくくなります。抽出開始から液体が出るまで長くかかる、細い滴しか落ちない場合は、細かすぎる可能性があります。

ただし、粉量の入れすぎやバスケットの目詰まりでも流れは遅くなります。挽き目だけで判断せず、粉量と器具も確認してください。

過抽出で渋味が強くなる

お湯が粉を通過する時間が長くなると、苦味や渋味が強くなることがあります。舌に粒がなくても、口内が乾くような収れん感を粉っぽいと感じる場合があります。

[Brevilleの抽出ガイド](https://assets.breville.com/BES880/BES880_USCM_IB_U22_FA_LR.pdf)では、抽出が極端に遅く、濃く、苦味や焦げた味が出る状態を過抽出の目安として示しています。

一段階ずつ粗くして比較する

細かすぎる可能性がある場合は、グラインダーを一段階ずつ粗い方向へ調整します。粉量、抽出量、タンピングなど、ほかの条件は変えないようにしましょう。

粒度調整の基準を確認したい方は、エスプレッソ挽きの合わせ方も参考にしてください。

抽出時間だけでなく、流れ、沈殿量、苦味、渋味を記録します。速くなりすぎた場合は一段階細かい側へ戻してください。

コーヒー豆の麻袋と商品パッケージのイラスト

グラインダーから出る微粉の影響

エスプレッソ挽きにも粒度のばらつきがある

どのグラインダーでも、挽いた粉が完全に同じ大きさになるわけではありません。狙った粒度に近い粉に加え、微粉や大きめの粒も生じます。

エスプレッソは細挽きを使うため、粒度分布の違いが抽出速度や口当たりへ影響しやすくなります。同じ設定でも時間が大きく変わる場合は、粒度の安定性を確認しましょう。

刃の摩耗やずれを確認する

グラインダーの刃が摩耗したり正しく取り付けられていなかったりすると、粒度がそろいにくくなります。異音がする、挽く時間が長くなった、粗粒と微粉が目立つ場合は点検の目安です。

電源を切りプラグを抜いたうえで説明書に従います。分解が推奨されていない部分は無理に開けないでください。

グラインダー内部の古い粉を清掃する

グラインダー内部には粉や油分が残ります。古い粉が新しい粉へ混ざると、粒度の不ぞろいや酸化した風味、重い後味の原因になります。

ホッパー、排出口、取り外せる刃の周辺を説明書に従って清掃します。水洗いできない本体や刃へ直接水をかけてはいけません。

コーヒー市場で豆を選ぶイラスト

ブレード式ミルはエスプレッソに使える?

粒の大きさをそろえにくい

ブレード式ミルは回転刃で豆を砕く仕組みです。挽く時間で細かさを調整しますが、均一なエスプレッソ挽きを作るのは難しい傾向があります。

長く回すほど一部は粉末状になり、別の部分には大きな粒が残ります。エスプレッソでは、このばらつきが抽出へ強く影響します。

微粉と粗い粒が同時に増えやすい

微粉はお湯の流れを妨げ、過抽出による渋味を生みやすくします。一方、粗い粒は十分に成分が出ず、薄さや酸味の原因になります。

両方が混ざると、薄いのに苦い、酸っぱいのに渋いといったまとまりのない味になりやすくなります。

エスプレッソ対応の臼式ミルを検討する

何度調整しても粉っぽさや抽出時間のばらつきが改善しない場合は、細かな調整ができる臼式ミルを検討しましょう。

調整段階、粉の保持量、清掃のしやすさも確認します。マシンが加圧式か非加圧式かによって、ミルに求められる精度も変わります。

焙煎機と焙煎されたコーヒー豆のイラスト

粉量とバスケット容量の関係

粉を入れすぎると流れが悪くなる

バスケット容量に対して粉を入れすぎると、抽出時に膨らんだ粉がシャワースクリーンへ強く接触し、お湯の流れを妨げる場合があります。

ポルタフィルターを装着しにくい、抽出後のパックにスクリーンの形が深く付く場合は、過剰な粉量を疑いましょう。

粉が少なすぎると抽出むらが起こる

粉が少なすぎるとパック上部の空間が大きくなり、お湯が均一に広がりにくい場合があります。味が薄い、流れが速い、抽出量が安定しないときは粉量も確認します。

抽出後のパックが湿っているだけで失敗とは判断できません。マシンの構造によって残る水分量は異なります。

バスケットの適正量を確認する

シングル、ダブルなど、バスケットには想定された粉量があります。製品ごとに容量が異なるため、メーカーの表示を確認しましょう。

粉量を変えるとパックの厚さと抵抗も変わります。使用した粉量と抽出液の重量を記録すると、条件を再現しやすくなります。

複数のコーヒーをテイスティングするイラスト

ドーシングと粉の分布を整える

バスケット内の偏りを減らす

粉がバスケットの片側へ偏ると、場所によって密度が変わります。そのままタンピングすると、お湯が通りやすい部分と通りにくい部分ができます。

粉をこぼさないよう全体へ均等に広げます。強く何度もたたくと微粉が下へ移動する可能性があるため、必要以上の衝撃は避けましょう。

ダマをほぐして均一にする

細挽きの粉は静電気や油分の影響でダマになることがあります。ダマのままタンピングすると、パック内に密度差が残ります。

細い針を使うWDTなどでダマをほぐし、最後に表面を平らにします。道具を使う場合も毎回同じ手順にそろえましょう。

WDTを使う場合の注意点

WDTツールの針が太すぎると、粉を混ぜるのではなく大きく押し動かして空洞を作る場合があります。細い針を使い、穏やかに動かしてください。

WDTを導入しても改善しない場合は、微粉量、挽き目、バスケットの穴、清掃状態など別の原因を確認します。

コーヒーミルやケトルなど抽出器具のイラスト

タンピングの傾きと圧力

水平にタンピングする

タンパーが傾くと、パックの片側は厚く、反対側は薄くなります。水は抵抗の少ない場所を通りやすいため、傾いたパックは抽出むらの原因になります。

安定した台にポルタフィルターを置き、タンパーをまっすぐ入れます。タンパーの直径もバスケットに合うものを選びましょう。

強さより毎回の再現性を重視する

タンピングは極端に強く押せばよいわけではありません。粉を均一に圧縮し、毎回同じ状態を作ることが重要です。

無理に体重をかけず、自分が再現しやすい力で水平に押します。調整はタンピング強度より、挽き目や粉量を優先すると管理しやすくなります。

バスケットの縁に付いた粉を落とす

バスケットやポルタフィルターの縁に粉が残ると、装着時の密閉を妨げます。パッキンへ粉が付着し、湯漏れや汚れの原因になることもあります。

タンピング後はパック表面へ触れないよう、縁の粉をブラシや乾いた布で取り除きましょう。

山あいのコーヒー農園と生産者のイラスト

チャネリングで粉っぽく感じる理由

お湯が一部だけを速く通過する

チャネリングとは、パックの亀裂や密度の低い場所へお湯が集中して流れる状態です。粉全体を均一に通らないため、味が不安定になります。

流れが片側へ寄る、途中から急に速くなる、ボトムレスで飛び散る場合は、粉の偏り、ダマ、傾いたタンピングを確認しましょう。

薄さと渋味が同時に出ることがある

お湯が速く通った部分は抽出不足になり、流れにくい部分では抽出が進みすぎることがあります。そのため、一杯の中に薄さや酸味と、苦味や渋味が同時に現れます。

味が単純に濃い、薄いだけでないときは、抽出時間だけでなく流れの均一性を確認してください。

抽出中の偏りや飛び散りを確認する

スパウト付きでは、左右のスパウトから出る量が極端に違わないか、流れが途中で変化しないかを観察します。

抽出の偏りを目で確認する方法は、ボトムレスポルタフィルターの使い方で紹介しています。

ボトムレスはチャネリングを確認しやすい一方、準備が整っていないと飛び散ります。挽き目だけを細かくせず、粉量、分布、タンピングを順番に見直しましょう。

コーヒー産地を眺めながらコーヒーを味わうイラスト

フィルターバスケットを確認する

穴の大きさや精度による違い

フィルターバスケットの穴の配置や加工精度は製品によって異なり、流れ方や微粉の通過量へ影響する場合があります。

高精度バスケットへ替えると挽き目や粉量の再調整が必要です。まずは現在のバスケットを清掃し、変形や目詰まりがないか確認しましょう。

穴の詰まりや変形を確認する

油分や微粉が穴へ詰まると、お湯が通る場所に偏りが生じます。バスケットを明るい場所へかざし、すべての穴から光が見えるか確認してください。

金属針を無理に差し込むと穴を広げる可能性があります。指定の洗浄方法で詰まりが取れない場合は交換を検討します。

バスケットを交換する際の注意点

交換用バスケットは、ポルタフィルターの直径だけでなく深さ、容量、形状を確認します。同じ直径でもリッジや底面形状が異なる製品があります。

容量や穴の仕様を選ぶ際は、ポルタフィルターバスケットの選び方も確認してみましょう。

交換後は粉量、挽き目、抽出量、時間を測り直し、新しいバスケットに合わせて調整しましょう。

焙煎士がコーヒー豆を焙煎するイラスト

加圧式と非加圧式バスケットの違い

加圧式バスケットの仕組み

加圧式バスケットは、二重構造や限られた出口によって内部に抵抗を作るタイプです。粒度やタンピングに多少ばらつきがあっても、一定の流れを作りやすい特徴があります。

ただし、出口が詰まると流れが極端に遅くなります。取扱説明書に従って清掃し、出口へ異物がないか確認してください。

非加圧式は挽き目と粉の準備が重要

非加圧式バスケットは、粉の細かさや量、タンピングによって抽出抵抗を作ります。適切な挽き目を作れるミルと、均一なパック作りが重要です。

非加圧式へ替えた直後に粉っぽくなった場合は、以前の加圧式と同じ挽き目や粉量を使っていないか確認しましょう。

使用中のバスケットを見分ける方法

バスケットの底面を確認し、内側と外側の穴の構造を見比べます。加圧式は内側に多数の穴があっても、外側の出口が一つまたは少数のことがあります。

外観だけで判断しにくい場合は、型番を確認し、取扱説明書やメーカー情報を調べてください。

カウンターでハンドドリップするイラスト

抽出時間と抽出量を見直す

抽出が遅すぎる場合

液体がなかなか出ず、細い滴が長時間続く場合は、挽き目が細かすぎる、粉量が多すぎる、バスケットが詰まっている可能性があります。

最初に器具を清掃し、粉量を確認したうえで挽き目を一段階ずつ粗くします。

抽出量が少なすぎる場合

粉量に対して抽出液が少なすぎると濃度が高くなり、油分や固形分の存在感も強くなります。狙った濃厚さでも、人によっては重く粉っぽく感じます。

抽出量を少しずつ増やし、味が薄くなりすぎない範囲を探しましょう。時間だけを延ばすと渋味が強くなる場合があります。

粉量・抽出量・時間を記録する

投入した粉の重量、カップへ出た液体の重量、抽出時間を記録すると比較しやすくなります。容量の目測だけでなく、スケールとタイマーを使いましょう。

味、沈殿量、流れ方も一緒に記録すると、粉っぽさが少なく再現しやすい条件を見つけられます。

カフェでコーヒーと仕事を楽しむイラスト

お湯の温度と抽出圧の影響

高温で渋味が強くなる場合

抽出温度が高いと成分が溶け出しやすくなります。豆や焙煎度によっては苦味や渋味が強くなり、粉っぽく感じることがあります。

深煎りで焦げた苦味が強い場合は、マシンの設定範囲内で温度を少し下げて比較しましょう。

圧力を自己流で変更しない

抽出圧は内部構造や安全性に関わる設定です。粉っぽさを改善するために、内部部品やバルブを自己流で調整するのは避けましょう。

圧力表示が普段と異なる場合も、挽き目、粉量、バスケットの詰まりを先に確認します。

マシンの推奨設定を基準にする

抽出温度や圧力、予熱方法はマシンごとに異なります。一般的な設定より、使用中の機種の取扱説明書を基準にしましょう。

設定を変える場合は一項目ずつ調整し、変更前の数値も記録して元へ戻せるようにします。

ハンドドリップでコーヒーを淹れるイラスト

コーヒー豆の状態も確認する

焙煎直後のガスが多い豆

焙煎直後の豆には二酸化炭素が多く含まれます。抽出時にガスが急激に放出されると、クレマが厚くなり、流れが不安定になる場合があります。

焙煎店が案内する飲み頃も確認し、焙煎日からの日数ごとに抽出状態を比較しましょう。

古い豆や酸化した油分の影響

開封から長期間たった豆は香りが弱くなり、酸化した油分による重い後味が出ます。この油っぽさを粉っぽさとして感じる場合があります。

新しい豆へ替えて口当たりが改善するか確認します。異臭やカビが疑われる豆は使用しないでください。

深煎り豆の重い口当たり

深煎り豆は苦味やロースト感、油分の存在感が強く出やすい傾向があります。濃い抽出では、重さや苦味が粉っぽい印象につながります。

挽き目を極端に細かくせず、抽出量や温度を調整します。中煎りへ替えて違いを確認する方法もあります。

コーヒー豆を丁寧に選別するイラスト

器具の汚れで粉っぽくなることもある

シャワースクリーンに残った粉

グループヘッドのシャワースクリーンには、抽出時に粉や油分が付着します。清掃が不足すると、古い粉が次のショットへ落ちることがあります。

グループヘッドの汚れを抑える器具については、エスプレッソ用パックスクリーンの解説も役立ちます。

抽出後はメーカー指定の方法でグループヘッドをフラッシュし、専用ブラシを使用できる機種では付着物を落とします。

ポルタフィルターとバスケットの清掃

ポルタフィルターとバスケットは使用後に粉を捨て、指定の方法で清掃します。スパウト内部にも油分や微粉が残ります。

洗剤を使った場合は十分にすすぎ、薬品の味やにおいがあれば飲用を中止してください。

グループヘッドの洗浄方法を確認する

バックフラッシュが必要な機種もあれば、実施してはいけない機種もあります。別機種の手順を使わず、取扱説明書を確認してください。

洗浄剤は指定された製品、量、すすぎ回数を守ります。清掃後は粉を入れずに湯を流し、異物や異臭がないか確認しましょう。

コーヒー豆と温かいコーヒーカップのイラスト

微粉ではなく渋味や焦げ味の可能性

口の中が乾くような収れん感

過抽出では、口の中が乾き、舌や頬の内側が引き締まるような感覚が出ます。この収れん感を粉っぽさと表現する人もいます。

沈殿が少ないのに粉っぽい場合は、挽き目、抽出時間、温度を一項目ずつ調整して渋味が減るか比べましょう。

焦げた苦味をざらつきと感じる場合

深煎り豆や高温抽出では、焦げたような苦味が強く出る場合があります。強い苦味が長く舌に残り、ざらつく印象になります。

焙煎度、温度、抽出量を確認し、器具の汚れによる焦げた風味も考えて清掃してください。

ペーパーフィルターで微粉を比較する

エスプレッソ用の薄いペーパーフィルターを使用すると、カップへ入る微粉や油分が変わる場合があります。使用前後で沈殿を比較すれば、微粉との関係を確認できます。

ただし、ペーパーは流れや抵抗を変えます。機器に合ったサイズを使い、正しく固定できない場合やメーカーが認めていない場合は使用しないでください。

カフェでコーヒーと仕事を楽しむイラスト

症状別に原因を切り分ける

カップの底に粉が多く残る場合

厚い沈殿や目に見える粉が残る場合は、微粉、バスケットの穴、器具に残った古い粉を確認します。清掃後、同じ豆を一段階粗く挽いて比較しましょう。

それでも大量の粉が入る場合は、バスケットの破損や適合状態を点検してください。

抽出が極端に遅く苦い場合

液体がなかなか出ず、滴状で強く苦い場合は、挽き目が細かすぎる、粉量が多すぎる、穴が詰まっている可能性があります。

清掃、粉量確認、挽き目調整の順で対応し、圧力や内部部品を自己流で変更しないでください。

薄いのに渋く粉っぽい場合

薄さと渋味が同時にある場合は、チャネリングで抽出不足と過抽出が混在している可能性があります。

粉のダマや偏りを減らし、水平にタンピングします。挽き目だけを細かくせず、粉の準備を先に整えましょう。

コーヒー豆と温かいコーヒーカップのイラスト

粉っぽさを改善する調整手順

最初に器具を清掃する

調整前に、バスケット、ポルタフィルター、シャワースクリーン、グラインダーの排出口を清掃します。古い粉が残ると結果を正しく判断できません。

清掃後は十分にすすぎ、部品を正しく取り付け、清潔なカップを用意してください。

挽き目と粉量を一項目ずつ変える

現在の粉量、抽出量、時間を記録し、最初に挽き目を一段階だけ変更します。改善しなければ元へ戻し、次に粉量を調整します。

各ショットの流れ、味、沈殿量を記録し、一度に複数の項目を変えないことが重要です。

改善しない場合はミルやバスケットを点検する

清掃、挽き目、粉量、分布を整えても改善しない場合は、グラインダーの刃、バスケットの穴、ポルタフィルターの適合状態を確認します。

刃の摩耗や破損が疑われる場合は、自己流で分解せずメーカーや販売店へ相談してください。

コーヒーカップを持ってカフェを歩くイラスト

まとめ|微粉と抽出のざらつきを分けて考える

カップ内の沈殿と抽出状態を確認する

粉っぽさには、実際に微粉が入っている場合と、渋味や焦げた苦味をざらつきとして感じている場合があります。

カップの底の沈殿、抽出の流れ、時間、味を確認し、原因を区別しましょう。

粒度・粉量・分布を順番に整える

器具を清掃したら、挽き目、粉量、粉の分布、タンピングを順番に確認します。細挽きは必要ですが、粉末状に細かすぎる状態は避けます。

加圧式と非加圧式では必要な挽き目や準備の精度が異なるため、使用中のバスケットも確認してください。

記録しながら再現できる条件を探す

粉量、抽出量、時間を毎回記録すると、粉っぽさが出た条件と改善した条件を比較できます。変更項目を一つに絞り、変更前の設定も残しましょう。

基本的な調整で改善しない場合は、無理にマシンを分解せず、グラインダーやバスケットの点検を専門店へ依頼してください。

ハンドドリップでコーヒーを淹れるイラスト